●こんなお話
新聞社の社長さんと運転手がマスクして悪党と戦う話。
●感想
新聞社の社長を父に持つ放蕩息子が、ある日突然、父の死をきっかけにその跡を継ぐことになったことから始まります。父との関係は冷え切っており、複雑な感情を抱えたまま2代目として新聞社の経営を任される主人公。そんな彼が、ふと自宅のコーヒーの味に不満を持ち、父の時代からいたコーヒー係の召使を呼び寄せる。
召使はただの使用人ではなく、多くの発明を手掛ける天才的な技術者であり、格闘の腕も一流。その彼とともに主人公は、遊び半分から始まった自警団活動にのめり込み、街の犯罪組織と対峙することに。そして、自分の新聞社を使って自らの活動を“グリーン・ホーネット”として報道していく。
ヒロインの秘書を採用するも、主人公は彼女からも一貫して好かれておらず、その微妙な距離感もありつつ。一方、街を支配する犯罪組織は、自分たちの勢力を脅かすグリーン・ホーネットに懸賞金をかけ、対決の場を設けるなどする。
主人公の父を毒殺した黒幕が実は信頼していた検事だったことが判明し、主人公と相棒のカトーは命を狙われる展開になり。新聞社を舞台にした激しい銃撃戦や、ビルからの落下、カーチェイスといったアクションが続き、最後には犯罪組織のボスが両目に杭を刺されて絶命。検事も車ごと転落して命を落とします。
主人公たちは秘書の家に身を隠して警察の追跡をかわし、主人公は新聞社の経営を手放す決意をする。
本作の最大の魅力は、深く悩まず、ただ「楽しいから」という理由で戦うという、ある意味で稀有なヒーロー像だと思います。相棒であるカトーのほうが実際のヒーローとして圧倒的な活躍を見せ、主人公がほとんど何もせずに終盤まで進んでいくという展開も、非常にユニークで新鮮。
アクションシーンは、スローモーションから一気にスピードを上げてインパクトを強調する、近年流行の演出が効果的に使われており、視覚的な迫力も十分です。
ただ、物語の後半に登場人物が無理に集められているように見える点や、カトーの能力の背景が説明されないまま終わってしまう点、悪役のトーンがコメディ寄りに変化してしまうことなど、物語の構成にはやや粗さも見られます。
それでも、全体的には軽快でポップなノリを維持しながら、119分間最後まで楽しめる娯楽作品に仕上がっていました。
☆☆☆
鑑賞日:2011/06/17 Blu-ray 2024/08/08 U-NEXT
監督 | ミシェル・ゴンドリー |
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脚本 | エヴァン・ゴールドバーグ |
セス・ローゲン |
出演 | セス・ローゲン |
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ジェイ・チョウ | |
キャメロン・ディアス | |
クリストフ・ワルツ | |
アナリー・ティプトン | |
エドワード・ジェームズ・オルモス | |
エドワード・ファーロング | |
トム・ウィルキンソン | |
デヴィッド・ハーバー |