映画【クリッター3】感想(ネタバレ): 若きディカプリオが光る!SFホラー映画

CRITTERS3
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●こんなお話

 クリッターが立ち退きが迫ったアパートの住民たちの話。

●感想

 ロサンゼルスの古びたアパートメントを舞台に、ひと家族の引っ越しから始まる小さな騒動は、思いがけず地球外生命体による襲撃劇へと発展していく。集合住宅にやってきた彼らは、見知らぬ“来訪者”に歓迎されることになる。それはクリッターと呼ばれる小型のモンスター。家族の車の中にいつのまにか産み落とされていた卵が、彼らの生活に文字どおり噛みついてくるきっかけとなる。

 孵化したクリッターたちは次々と凶暴な姿を現し、立ち退きを迫る管理人、アパートに住まう住人たちを容赦なく襲撃していく。静かな住まいの中に広がっていく恐怖は、屋上へと避難する住人たちを追いつめ、事態は急速に手に負えない方向へと進んでいく。やがて物語の鍵を握る存在として、かつてクリッターと戦った賞金稼ぎチャーリーが再び姿を見せ、銃を手にその戦いに身を投じていく。

 物語はクライマックスに向けて一気に加速していき、チャーリーと住人たちの奮闘によって、ついにはクリッターの群れを銃で撃退。屋上で少年に襲いかかったきたのをチャーリーが少年を守ってクリッターと共に落下。けどギリギリ助かるチャーリー。クリッターを一掃することに成功。しかし安心したのも束の間、地下からは謎めいた宇宙コンテナが現れ、そして最後に、卵がまだ残されていたことが明かされる。絶滅するから保護しろという命令がくだっておしまい。

 作品としては、アパートという密閉された空間が生む閉塞感や、住民という逃げ場の少ない登場人物たちによって構築されるホラー演出が効果的で、ジャンル映画としての面白さがしっかり備わっていたと感じます。特に冒頭の卵の侵入から、じわじわと広がる異常事態、そして最終局面にかけての流れにはテンポの良さがあり、鑑賞中の緊張感が途切れず保たれていた印象です。

 ただ、ストーリーの運びにはやや唐突さも見受けられ、クリッターの卵がなぜあの家族の車に産みつけられたのかといった導入部分の必然性には疑問が残りました。また、住人たちそれぞれのキャラクターが十分に描ききれておらず、もう少し彼らの背景やドラマが加わっていれば、物語への感情移入がより強くなったかもしれません。

 俳優陣については、シリーズ通して登場してきたチャーリー役のドン・オッパーが、従来の世界観をきちんと保っていて、過去作ファンにも安心感を与えていたように思います。そして今作の話題としては、やはり若きレオナルド・ディカプリオのスクリーンデビュー作としても知られています。演技そのものが特別目立つわけではありませんが、その後のキャリアを思うと、初々しい存在感に目を引かれる瞬間が確かにありました。

 特殊効果については、予算の限られた中でクリッターの動きや質感に工夫が凝らされていて、怪物としての不気味さと同時に、どこか憎めない愛嬌が共存しているのが特徴的です。その一方で、あまりにコミカルな動きやデザインが、ホラーとしての緊張感を少しだけ緩めてしまっていた印象もあります。ジャンルとしてはB級SFホラーに位置付けられる作品ながら、その中にある魅力は確かで、気軽に楽しむエンタメ作品として心地よい後味を残す一作でした。

☆☆☆

鑑賞日:2025/07/23 DVD

監督クリスティーン・ピーターソン 
出演レオナルド・ディカプリオ 
ドン・オッパー 
エイミー・ブルックス 
クリスチャン・カジンズ 
ジョセフ・カインズ 
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