映画【蜘蛛巣城】感想(ネタバレ):強風の旗と妖しい森が魅せる!三船敏郎×山田五十鈴の迫力舞台劇映画

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●こんなお話

 戦国時代の蜘蛛巣城を舞台に猛将の主人公が、蜘蛛の手の森という妖しい森で出会った老婆に蜘蛛巣城の城主になると予言される。その予言を知った主人公と奥さんが主君を殺し、親友を殺し。疑心暗鬼になりながらも予言通りに蜘蛛巣城の城主になるけど……な話。

●感想

 強風にはためく旗指物が揺れ、妖しい森では能のような動きをする役者たちが不気味な雰囲気を漂わせる、怖さ満点の映画でした。侍大将として主君に忠誠を誓った武将が、次第に権力欲に取り憑かれて裏切りを重ね、どんどん泥沼にはまっていく物語が進んでいきます。そしてクライマックスには、まるでハリネズミのように身を守る主人公の姿が印象的。今見ても衝撃的な弓矢の嵐は圧巻の迫力でした。

 主人公はあまりやる気のない様子で動く一方、奥さんが無表情に冷酷な囁きを放つシーンの不気味さは格別。血が落ちないと手を洗い続ける恐ろしさがひしひしと伝わってきます。

 豪華絢爛な大迫力のセットの中で、三船敏郎さんの豪快な芝居と能面をつけた山田五十鈴さんの静謐な演技が織りなす舞台劇のような異質感は、日本の土着的な空気を強く感じさせ、映像の魅力を一層引き立てていました。

 ただ、序盤の森で老婆と出会うシーンはやや冗長に感じる部分もありましたが、それも含めて因果応報というテーマが深く染みわたる、学びの多い作品でした。

☆☆☆☆

鑑賞日: 2014/04/02 DVD

監督黒澤明 
脚本小国英雄 
橋本忍 
菊島隆三 
黒澤明 
出演三船敏郎 
山田五十鈴 
千秋実 
志村喬 
久保明 
浪花千栄子 
佐々木孝丸 
太刀川洋一 
高堂国典 
富田仲次郎 
稲葉義男 
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