●こんなお話
アメリカ人が戦時下のウィーンで友人の死の真相を探るのきっかけに陰謀に巻き込まれる話。
●感想
序盤は、親友の死に立ち会った人物達に話を聞いていき。そして親友の恋人とのやりとりが続きますが。これがちょっと退屈でした。45分過ぎに事件の目撃者の門番の死をきっかけにしてやっと転がり始めるといった感じでしょうか。それでも、第三の男が暗闇から姿を現す有名なカットが出てくるまで。ここに来ないと動きが遅いようにも思えます。
事故現場に居合わせた第三の男は誰なのか? から第三の男の正体。第三の男の目的、悪の論理。ちょっとわかりずらかったのは、ハリー・ライムの目的で。映画に登場するまでの背景が全くわからないので主人公と20年来の親友というだけの情報しか与えられないので、主人公が盲目的にハリーを信じるのがわかりずらかったです。
とは言いつつ、話の強弱のつけ方は最高で。緊張感あるシーンが続くかと思いきやコミカルなシーンが差し込まれたりして意外性を感じる作りになっていました。タクシーで拉致されたと思ったら講演会ってくだりは最高です。
今見ると、陰影を強調した映像にやたらと斜めの映像はちょっと狙いすぎでしつこい印象を受けました。
それに、ペニシリンを安く売りつけ使用した人たちは廃人になってしまうことを知り犯罪は許せず友だちを売ることになりますが。ヒロインの存在により、何故か主人公が悪くなるような展開がものすごい切ないです。
何といっても、この映画はラストカットが素晴らしくこれだけのために100分間見てよかったと思えるくらい美しくそして悲しいショットで最高でした。
☆☆☆☆☆
鑑賞日:2012/02/28 DVD
リンク
監督 | キャロル・リード |
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脚色 | グラハム・グリーン |
原作 | グラハム・グリーン |
出演 | ジョゼフ・コットン |
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アリダ・ヴァリ | |
オーソン・ウェルズ | |
トレヴァー・ハワード | |
バーナード・リー |