映画【サブウェイ・パニック】感想(ネタバレ):くしゃみが導く真相

The Taking of Pelham One Two Three
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●こんなお話

 ニューヨークの地下鉄がハイジャックされての攻防の話。

●感想

 ニューヨークの地下鉄で、いつもと変わらない日常が流れていたその時、髭をたくわえ帽子をかぶった男たちが車内に乗り込み、運転士に銃を突きつけて地下鉄を占拠する。乗客たちは次々に人質となり、恐怖と混乱に包まれる。指令所では、見学に訪れていた日本人を案内していた主人公がその知らせを聞く。冷静に状況を把握し、指令室から対応にあたる。

 犯人グループは、明確に計画された動きで人質を脅し、ニューヨーク市に対して身代金の要求を突きつける。市長や関係者たちが混乱しながらも、要求に応えるべく時間との戦いに挑む様子が描かれる。身代金の運搬が遅れれば、命が失われるかもしれない。地上ではパトカーが警音を鳴らしながらニューヨークの通りを縫うように走り、時間内に地下鉄まで到達できるのかが焦点となる。

 ようやく現場に現金が届くも、犯人たちが受け取るタイミングで予期せぬ銃撃戦が発生。警察の判断ミスなのか、それとも犯人たちの動きが想定外だったのかは不明だが、結果として人質が殺される事態に発展してしまう。警察と犯人のにらみ合いが続く中、ふいに動き出す地下鉄。誰も運転していないはずの車両が、制御不能のようにトンネル内を疾走していく。

 地下鉄を監視していた主人公たちは驚きつつ、全力で追跡に向かう。犯人たちはすでに車両を離れ、変装を解いて地上での逃走を図っていた。だがその中に、乗客のふりをして潜んでいた警官がいて、発砲の末に犯人のひとりが倒れる。仲間同士の疑心暗鬼もあって、犯人グループの結束は徐々に崩壊し、殺し合いへと変わっていく。主人公も現場へとたどり着き、主犯格の男と向き合う。男は淡々とした態度のまま、最後に自らの運命を選び、地下鉄のレールに身を投げる。

 物語のラストでは、逃げおおせたと思われた犯人の一人のもとに、主人公が事情聴取と称して訪れる。家の中にはどこか緊張が走っていたが、主人公は言葉を交わし、特に決め手もなくその場を立ち去る。しかし、玄関の外でひとつの「くしゃみ」が聞こえた瞬間、主人公は静かに戻ってきて、重々しく扉を開ける。このやり取りが序盤から何度も繰り返されていた伏線となり、ラストの静かな一撃としてしっかりと決まる。

 序盤から中盤にかけて、犯人たちがどのようにして地下鉄という閉鎖空間で身代金を受け取り、逃走を図るのか、その計画が明かされないまま進んでいくのが非常にスリリングでした。その中で、指令所の主人公が少しずつ全体像を把握していき、最後には犯人たちを見抜いていく流れに自然と引き込まれました。

 特に印象に残ったのは、ロバート・ショウ演じる犯人の冷静沈着な佇まいです。無駄な言葉は発さず、計画に従って動く様子がただただかっこよかったです。そして最期に、「この国には死刑はないのか?それは残念だ」と言って、電車に自ら飛び込むという判断の潔さにも胸を打たれました。

 地下鉄という空間が持つ緊張感と、パトカーが街を駆け抜けるシーンのスピード感。両者の対比が見事で、ただじっと待つしかない地下の空間と、急ぐしかない地上の状況が見事に交差していました。クライマックスの「くしゃみ」も含めて、見終わったあとも鮮烈な印象が残る一本でした。

☆☆☆☆

鑑賞日:2023/02/17 BS-TBS

監督ジョセフ・サージェント 
脚本ピーター・ストーン 
原作ジョン・ゴディ 
出演ウォルター・マッソー 
ロバート・ショウ 
マーティン・バルサム 
ヘクター・エリゾンド 
アール・ハインドマン 
ジェームズ・ブロデリック 
ディック・オニール 
リー・ウォーレス 
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