●こんなお話
潜水艦が消息を絶ったので、調査するボンドの話。
●感想
冒頭のスキーを使ったアクションから、断崖絶壁を飛び降りてパラシュートがユニオンジャック柄でドーンと開くまでの流れが本当に最高のスタートでした。落下の一瞬、無音になる演出も印象的で、オープニングクレジットに突入するまでのテンポが素晴らしく、冒頭から一気に作品世界へ引き込まれました。
物語は、米ソの原子力潜水艦が消失するという事件を受けて、007とソ連の女スパイ・トリプルXが協力して調査に当たる展開。共闘しながらも複雑な感情が交錯する関係性が描かれ、後半に「実はボンドがトリプルXの恋人を殺していた」という事実が判明する流れには驚かされました。でも、最終的に2人がベッドを共にするのは、ちょっと謎展開があったり。
ボンドガールであるトリプルXが、登場するたびに色っぽい衣装で現れるのも印象的。彼女の存在感が映画を華やかにしていて、ボンドとの掛け合いも軽妙で見応えがあるものでした。
そして敵キャラのジョーズ。とにかくインパクト抜群。何度やられても立ち上がるターミネーター的存在で、登場するたびに笑ってしまうキャラクター。人食いザメとの戦いも見どころで、ワゴン車を素手で破壊するシーンなんて他ではなかなか見られないインパクトだと思います。アクション映画としてのサービス精神が満載でした。
スキーアクション、カーチェイス、水中戦、銃撃戦と、アクションのバリエーションも豊富で、終始テンポよく飽きずに楽しめました。さすがに時代を感じるところもあって、格闘シーンなどは少しのんびりした雰囲気ですが、それも含めて味わい深い映画でした。
どんなピンチでも常に余裕のあるボンドのキャラクターと、てんこ盛りのアクションと華やかさ。娯楽作品としてしっかり楽しめた一本でした。
☆☆☆☆
鑑賞日:2012/12/06 Blu-ray
監督 | ルイス・ギルバート |
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脚本 | クリストファー・ウッド |
リチャード・メイバウム | |
原作 | イアン・フレミング |
出演 | ロジャー・ムーア |
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バーバラ・バック | |
クルト・ユルゲンス | |
リチャード・キール | |
キャロライン・マンロー | |
バーナード・リー | |
ロイス・マックスウェル | |
デズモンド・ルウェリン |