映画【PROMISE プロミス】感想(ネタバレ):愛と宿命を描く幻想大作

Wu ji (2005)
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●こんなお話

 アジアの国でファンタジーな世界で1人の女性を巡ってワイヤーで飛び回ったりCGとかで派手派手な話。

●感想

 幼い少女・傾城は飢えに苦しむ日々を送っていた。ある日、神秘的な存在である満神と出会い、「富と美しさを一生手に入れる代わりに、本当の愛を得ることはできない」という契約を交わす。傾城はその運命を受け入れ、美貌と栄華を手に入れて王妃へと上り詰めていく。

 一方、貧しい少年だった崑崙は、驚異的な俊足を持ちながらも奴隷として生きていた。戦乱の最中、名将・光明に命を救われた崑崙は彼の従者となり、忠誠を誓う。

 その頃、王国では反乱軍との激しい戦いが続いていた。名将・光明は王を守るため最前線で戦うが、混乱の中で崑崙が光明の赤い鎧を身にまとい、仮面を着けたまま戦場を疾走する。圧倒的な速さで敵陣を駆け抜けるその姿を見た人々は、赤い鎧の戦士こそ光明本人だと信じ込む。

 反乱軍を率いる北公爵・無歓は、幼い頃に人を信じたことで深い傷を負った過去を抱えていた。その経験から他者を信用できなくなり、王妃・傾城への執着と権力欲を燃やしていた。無歓は戦乱に乗じて王を討ち、傾城を自らのものにしようとするが、危機に陥った傾城を救い出したのは赤い鎧をまとった崑崙だった。

 しかし傾城は、その命の恩人を光明だと思い込む。これまで誰も愛せなかった彼女は初めて心を動かされ、光明へ想いを寄せるようになる。

 光明は突然向けられる愛情に戸惑いながらも、次第に傾城へ惹かれていく。しかし、本当は崑崙が彼女を救ったことを知り、名将としての誇りと、一人の男としての想いの間で葛藤を抱える。一方の崑崙もまた、身分違いの恋だと理解しながら傾城への愛を深めていくが、奴隷である自分が真実を明かせば全てが壊れてしまうと考え、苦しむ。

 無歓は三人の複雑な関係を巧みに利用し、光明を失脚させようと策略を巡らせる。王妃を巡る争いは激化し、光明は名誉を守るため剣を取り、崑崙は主人を守るため命懸けで戦う。

 やがて傾城は、自分を救ってくれた人物が光明ではなく崑崙だったという真実を知る。契約によって愛を得られないはずだったが、本当に愛する相手と出会えたことを悟る。

 最後の戦いで、光明は無歓と一騎打ちしてスキを突かれて敗れるが、無歓は崑崙に刺されて敗れる。光明は壮絶な最期を迎えて、その犠牲によって崑崙と傾城には未来への希望が託されておしまい。


 冒頭約15分は、主要人物たちの立場や関係性を紹介しながら大規模な戦闘を展開する構成となっており、作品のスケールの大きさに圧倒されました。特にワイヤーアクションやCGを惜しみなく使った映像は非常に派手ですが、そのCG表現がアニメやゲームのような質感になっているため、真面目な場面でも思わず笑ってしまいそうになる瞬間がありました。

 物語は将軍・光明、奴隷の崑崙、そして無歓という三人の男が傾城を巡って対立していく構図ですが、ストーリー全体のバランスには少し違和感を覚えました。崑崙と同郷の殺し屋とのエピソードに多くの時間が割かれる一方で、本来軸になるはずの光明と傾城の恋愛や三角関係の描写が停滞してしまい、作品が何を最も描きたいのか掴みにくかったです。

 キャラクターも非常に個性的です。光明は英雄として描かれる一方で、自身の名誉や恋愛感情に振り回される場面が多く、本当に最強の将軍なのか判断しづらい人物でした。崑崙は四つん這いで疾走したり、人を背負ったまま驚異的な速さで駆け抜けたりと、そのインパクトが圧倒的です。無歓も独特な武器や演出によって強烈な存在感を放っており、登場人物一人ひとりの個性は最後まで印象に残りました。

 その一方で、全体的な演出は真剣で壮大な雰囲気を貫いているにもかかわらず、映像やアクションの見せ方がどこかコミカルに映る場面も少なくありません。そのギャップが繰り返されるため、物語へ没入するのが難しく感じられました。

 また、フェードアウトを多用した場面転換によってテンポが途切れがちで、ストーリーの流れが何度も中断される印象も受けました。本作は緻密なドラマを楽しむというより、運命や宿命を寓話として描く作品なのだと思います。そのため、細かな物語の整合性よりも、壮麗な美術や色彩設計、ダイナミックなワイヤーアクション、幻想的な世界観を味わうことに重点を置いたほうが楽しみやすい作品でした。

☆☆

鑑賞日: 2006/02/10 DVD 2015/02/02 DVD 2026/08/07 U-NEXT

監督チェン・カイコー 
脚本チェン・カイコー
出演真田広之 
チャン・ドンゴン 
セシリア・チャン 
ニコラス・ツェー 
リウ・イェ 
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