●こんなお話
悪魔に憑かれたらしい少年を助けようとする神父様たちの話。
●感想
物語はイタリアで主人公が悪魔祓いを行う場面から始まる。少年が悪魔に憑かれたと騒がれていたが、主人公はそれが精神疾患であると見抜き、豚を射殺するという衝撃的な儀式のような行動を通じて周囲を納得させる。
しかしそのやり方に対して、教会側からは批判の声が上がる。主人公はやり方を糾弾されるが、自分の信念に従って行動し続ける。
一方、スペインでは古い修道院の修理のためにアメリカ人の家族が移り住んでくる。娘は強制的な引っ越しに不満を抱え、息子は父親の事故死を目撃したトラウマで喋れなくなっていた。修理業者がガス爆発を起こして現場から逃げ出し、家族だけが取り残される。
その後、息子が突如として恐ろしい形相で叫び出すなど、異常な行動を取るようになる。病院では異常は見つからないが、主人公に息子の様子を見てほしいという依頼が届き、彼は原付バイクで修道院に向かう。
現地で少年と対面した主人公は、彼に悪魔が憑いていると確信。若い神父とともにエクソシズムを行うことになる。やがて修道院の井戸の奥に隠された地下墓地を発見。そこにはかつて悪魔を封じようとした祈祷師たちの遺骨があり、彼らが封印に失敗していたことが明かされる。
実はこの悪魔は、かつて教会の内部に入り込んでさまざまな悪事を働いていた存在で、ヴァチカンはその事実を隠蔽していたらしい。悪魔は主人公たちの心の傷をえぐり、精神的に追い込んでくる。母親や娘にも攻撃を仕掛け、主人公に乗り移って自殺を図ろうとするが、最終的には若い神父に憑依。
だが、信仰の力を思い出した2人の神父が協力して悪魔を地獄へと送り返す。戦いは終わり、ひとまず平和が戻るが、世界にはまだ200の悪魔が降臨した場所が存在すると告げられ、「これからも戦いは続く」という形で物語はおしまい。
典型的なエクソシスト系ホラーではあるけれど、主人公自身が抱えるトラウマに向き合いながら悪魔と戦うという心理的なドラマがあり、現代的なVFXやアクションの演出によってエンタメとしての見ごたえも十分です。100分というコンパクトな尺の中に、ホラー・サスペンス・ドラマがバランスよく詰まっていて、最後まで楽しめた作品でした。
☆☆☆
鑑賞日:2024/02/19 Amazonプライム・ビデオ
監督 | ジュリアス・エイヴァリー |
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脚本 | マイケル・ペトローニ |
エヴァン・スピリオトポウロス | |
原作 | ガブリエーレ・アモルト |
出演 | ラッセル・クロウ |
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ダニエル・ゾヴァット | |
アレックス・エッソー | |
フランコ・ネロ |