●こんなお話
深夜ラジオのDJをリスナーが脅迫して振り回される話。
●感想
主人公は、愛する妻と娘と暮らしながら、深夜ラジオのDJとして働いている。ある晩、いつも通り出勤し、警備員と軽く話していたところに、様子のおかしな男が突然現れて揉め事に。警備員が追い出してくれるが、その男が不穏な空気を残して去っていく。
スタジオに入り、上司やライバルDJへの愚痴をこぼしながら、いつも通り深夜0時の番組がスタート。リスナーの悩みに答えながら、アシスタントや新人スタッフとともに仕事を進めていく。だが、番組中に奇妙なリスナーから電話が入る。内容は、なんと主人公の家族に危害を加えるという脅迫だった。
「電話を切ると家族を殺す」と脅され、さらに不倫していることを生放送で告白しろと要求され、仕方なく認めてしまう。続いて「屋上に行け」と命じられ、屋上へ。そこでは、以前辞めたアシスタントが主人公のパワハラによって自殺したと語られ、「同じように飛び降りろ」と命令される。飛び降りたふりをしてやり過ごそうとするが、ドローンで監視されており、リスナーはさらに激昂。
警察が主人公の家に突入するも、家族はもぬけの殻。事態はどんどん緊迫していく。主人公が1階の受付に戻ると、警備員が殺されていた。再び脅迫の電話が鳴り、マイクをつけて放送でリスナーと会話するよう命じられる。
ビルには爆弾が仕掛けられていることが発覚し、犯人はこのビルの中に潜んでいると推理。監視室へ向かうと、ライバルDJが殺されていた。ラジオブースへ戻ると、今度はアシスタントと上司が拘束されており、ついに犯人と対面。主人公がなんとか取り押さえるが、犯人はまだ爆弾のスイッチを持っていた。
しかもその爆弾は、主人公の妻と娘の身体に取り付けられているという。犯人は「新人アシスタントに爆弾をつけろ」と命令してくる。仕方なくジャケットを着せようとするが、最後の最後で犯人がスイッチを落とし、全員が絶体絶命になる…という。
主人公がとにかく振り回されっぱなしで、何が正解なのかも見えない中、それでもどうにかして突破しようとする姿がサスペンスとしてしっかり機能している。全編がテンション高めの展開で、観ていてハラハラする場面が続くのは見どころでした。
ただ、好みかどうかで言うと正直ちょっと違ったかもです。情報量が多く、後半に向けて怒涛の展開なのに、最後まで「これは何を見せられているんだろう」とふと冷静になってしまう瞬間もありました。好き嫌いが分かれるタイプの映画だけれど、こういう作風も一つのジャンルとしてアリだとは思いました。
☆☆
鑑賞日:2024/02/09 WOWOW
監督 | ロムアルド・ブーランジェ |
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脚本 | ロムアルド・ブーランジェ |
出演 | メル・ギブソン |
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ケヴィン・ディロン | |
ウィリアム・モーズリー | |
アリア・セロール・オニール | |
ナディア・ファレス | |
エンリケ・アルセ |