映画【コードネーム U.N.C.L.E. 】感想(ネタバレ):スタイル抜群のスパイ・バディムービー

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●こんなお話

 アメリカとソ連のスパイが手を組んでナチスの残党が計画した核爆弾の計画を阻止する話。

●感想

 冒頭から色調を抑えた映像で始まり、価値観も背景もまったく違う2人がぶつかり合いながら共に行動するという、王道のバディムービーを期待させる展開。役者陣は皆そろって美男美女でビジュアル的には文句なし。映像も音楽も洗練されていてスタイリッシュな世界観が広がっていきました。

 しかし、内容としては全編を通してどうしても退屈さを感じてしまうものでした。バディものとしての魅力を深めるための葛藤やドラマが薄く、スパイ映画ならではのギミックや工夫もあまり見られず。謎解き的な面白さも乏しく、緊張感や驚きはほとんどなかったと思います。

 敵側のキャラクターたちにもあまり魅力がなく、イタリアの大富豪が何を目的にしているのかも曖昧なまま。クライマックスで彼と戦う展開になっても、登場人物たちの行動原理が見えてこないので盛り上がりきれない印象が強かったです。

 途中、「実はあのときこうだった」といった種明かしがいくつか挿入されるが、それによるカタルシスや驚きは薄く、「なるほど!」というよりは「あれ、どういうことだったっけ?」と過去のシーンを思い出すのに必死になり、物語への没入感が下がっていってしまいました。

 最終的には、アメリカとソ連のスパイたちを翻弄し、イギリス人が司令塔の座に収まるという構図になりますが、そうした展開に込められた意図や背景も曖昧で、どこか特定の人たちの視点で満足を得るための映画なのかもと考えさせられる一面もあったり。

 全体として、スタイルは良いが中身にもうひとつ力が欲しかった作品でした。

☆☆

鑑賞日: 2015/11/23 チネチッタ川崎

監督ガイ・リッチー 
脚本ガイ・リッチー 
ライオネル・ウィグラム
出演ヘンリー・カビル 
アーミー・ハマー 
アリシア・ヴィキャンデル 
エリザベス・デビッキ 
ジャレッド・ハリス 
ヒュー・グラント 

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