映画【アジョシ】感想(ネタバレ)

●こんなお話

　質屋の主人公が隣人の女の子が人身売買組織に誘拐されたので助けようと頑張る話。

●感想

　刑事が捜査をして麻薬売買の現場で容疑者を逮捕するけれど証拠不十分で釈放するところから始まって、主人公の質屋が隣人の少女が勝手にやってきて物を売りに来たり。

　そんなときにその少女の母親が麻薬売買で扱うブツを盗んだきっかけで組織が母親と少女を誘拐。主人公の店にも組織の人間が来て母親が売ったカバンのありかを聞き出して、最初は拒否するけど少女が誘拐されてることを知ってカバンを渡す。けど少女は返ってこない。

　主人公はゴルフ場で売買のやりとりの使いとしていくように言われて言われたとおりに現場に着いたので少女を返せと言うけれど殴られてさらに現場に警察がやってきて、捕まる主人公。しかも少女の母親も臓器が取られた状態で死体が見つかる。

　警察に捕まって過去に特殊部隊にいた経歴とかがわかる。主人公、簡単に警察から脱出。取引で使われていたおもちゃをきっかけにおもちゃを扱う子どもを尾行して子どもたちがお使いとして犯罪に関わっていることがわかる。そこからカタキ役にケータイを売った業者とかにたどり着き、そこから兄弟のいるクラブへ。子分を殺したり、ベトナム人殺し屋と対決したりしつつ、カタキ役兄弟のもとへ行くけど、警察が来たのでみんな散る。

　負傷して知り合いの闇医者に治療してもらって復活。カタキ役の弟がいる麻薬精製のアジトに突入して弟を殺害。怒った兄は待ち受ける。そして主人公は現場に行くと少女は殺されたと説明を受けて、怒りの制裁を加える主人公。皆殺し。カタキ役の兄も銃殺して自ら自殺しようとしたら、実は少女は生きていて2人で帰っていっておしまい。

　序盤の質屋さんと少女の交流で少女は母親に相手にされずいつもひとりぼっちですが、無愛想な質屋さんとだけ心を許しています。そんな中、少女が万引きの疑いをかけられた現場に偶然居合わせた主人公は少女を無視するけれど、少女は主人公に「おじさんまで嫌いになったら好きな人がいなくなっちゃう」と語ります。ここで誰も自分を愛してくれないけど、自分が愛する気持ちを忘れたら本当に1人になってしまうのだと感じました。

　そして、少女の母親が麻薬を盗んだことにより人身売買組織が動き出して事件に巻き込まれていきますが。残念だったのは、ちょっとカタキ役の人数が多かったり刑事たちの捜査が単純に主人公の過去の説明になってしまっているので流れが悪くなっているように思えました。そんな説明がなくても、主人公が傷を負いこん睡状態で思い出す回想シーンで、とても悲しい過去があるのだとわかりました。
　主人公が少女に一歩一歩近づいていきますが、カタキ役の人数が多いため。油断するとどうして今ここの場所に主人公が来たのかわからなくなります。2回見てやっと流れを掴むことができました。

　主人公が、手首や急所を一撃でパスパス切っていく主人公の残酷さったらないです。まさに相手を殺しにかかるアクションシーンが凄いことになってました。

　味方や敵を容赦なく殺すけど子どもには優しいカタキ役の殺し屋の熱さも最高でした。クライマックスの一騎打ちの緊張感が最高に高まっていたと思います。

　少女を助ける。その怒りが爆発するクライマックス。カタキ役たちを容赦なく殺していく姿。そして、エピローグの主人公ウォン・ビンの表情の暖かいこと。最高のアクション映画を見せてくれました。

☆☆☆☆

鑑賞日: 2015/05/01 Blu-ray　2023/09/30 U-NEXT