映画【ザ・ロストシティ】感想(ネタバレ):ロストシティに眠る宝を巡る、作家とモデルの痛快な大冒険

THE-LOST-CITY
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●こんなお話

 小説家が億万長者に拉致されて失われた都市を探すのを強制されて表紙のモデルと一緒に頑張る話。

●感想

 2人の主人公が謎の遺跡に囚われているという幻想的な場面から物語は始まる。異形の蛇が蠢き、建物そのものが言葉を発するような不気味な空間は、やがて消え去ってしまい、それが一人の作家の空想世界であることが明かされる。冒険小説の新作発表イベントに向けて準備中の主人公は、担当編集者やイベントスタッフと細かな打ち合わせを進めていた。

 発表会では、書籍の表紙モデルと対談する予定が組まれており、登壇の直前には場内の雰囲気も高まっていた。しかし、観客の関心は専らモデルの外見や身体的な魅力に向けられており、作家の文学的成果は脇に追いやられたような空気が漂っていた。イベントが終わり、帰宅しようとしたその瞬間、屈強な男たちに囲まれて作家は拉致される。彼が連れて行かれたのは、世界を股にかける大富豪の屋敷だった。

 その億万長者は、古代都市に眠るという宝石の地図を手に入れたらしく、その謎を解読して宝を見つけてこいという一方的な命令を突きつけてくる。まるで小説のような展開に巻き込まれてしまった主人公に残されたのは、現地へ向かうしかないという選択だった。

 一方、イベント会場で拉致の一部始終を目撃したモデルは、旧知の元傭兵に連絡を取り、救出作戦を依頼する。マネージャーもまた、心配から独自に行動を開始し、飛行機を乗り継いで合流を図る。元傭兵の巧みな技術で主人公の救出は一時的に成功するものの、その直後に彼は銃弾に倒れ、再び過酷な状況に陥ってしまう。

 戦闘能力の乏しい作家とモデルのふたりは、密林の中で命をつなぎながら逃亡を始める。吸血ヒルに苦しみながらも助け合い、夜の焚き火の前では、モデルが数年前に亡くなった夫の記憶を静かに語る姿も描かれる。やがて追手にバイクで追い詰められるが、即席のトラップで何とか撃退。あまりに大胆な方法に、落下した敵の安否を思わず心配してしまう。

 ようやく市街地にたどり着くが、再び大富豪の手に落ちたふたりは、古代都市「ロストシティ」に連れて行かれる。そこでは装甲車に乗った彼を、モデルがスクーターで追いかけ、車上で格闘を繰り広げるという奇想天外な展開も盛り込まれている。

 ついに目的の宝石が隠されたとされる場所に到達するが、そこにあったのは一つの美しい貝殻だった。富豪は失望し、怒りをぶつけるようにふたりを石棺に閉じ込め、火山の噴火によって全てを消し去ろうとする。しかし、その場にいた部下の一人が、密かにバールを棺の中に置いておいてくれたことで、ふたりは脱出に成功する。

 そこに現れたのは、ついに合流したマネージャー。一行は再会を喜び合い、最後には富豪が逮捕されて一連の騒動は終結する。

 ハリウッドのスターたちが全力でロマンスとコメディを演じており、良い意味で肩の力を抜いて楽しめる作品だったと思います。物語のテンポも軽快で、100分という上映時間の中にアクション、冒険、笑い、そしてさりげない感情の機微までが程よく詰め込まれていました。

 チャニング・テイタム演じる、どこか頼りないけれど愛すべきキャラクターも魅力的で、終始その姿を見ていたくなるような親しみやすさがありました。典型的なバディムービーの構造ながら、細部にまできちんと手が入っていて、安心して楽しめる映画だったと感じております。

☆☆☆

鑑賞日:2023/04/03 NETFLIX

監督アーロン・ニー 
アダム・ニー 
脚本オーレン・ウジエル 
デイナ・フォックス 
アダム・ニー 
アーロン・ニー 
原案セス・ゴードン 
出演サンドラ・ブロック 
チャニング・テイタム 
ダニエル・ラドクリフ 
ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ 
ブラッド・ピット 
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