●こんなお話
50人の少年が、最後の一人になるまで歩き続ける命懸けの競技に挑む話
詳細ネタバレあらすじ
アメリカでは毎年、「ロングウォーク」と呼ばれる競技が開催されている。50人の少年が参加し、道路上を一定の速度以上で歩き続ける。歩行速度が規定を下回ると警告を受け、警告を3回受けた参加者は兵士によって射殺される。最後まで歩き続けた1人が優勝者となり、賞品として自分が望むものを一つ得ることができる。競技を管理するのは「メジャー」と呼ばれる軍人である。
レイ・ギャラティはロングウォークの参加者としてスタート地点に集まる。そこにはピーター・マクヴリーズ、ステッビンズ、アート・ベイカー、コリー・パーカー、ゲイリー・バーコヴィッチ、ハンク・オルソンらがいる。メジャーは参加者たちに競技の規則を説明し、50人は一斉に歩き始める。
歩行が始まって間もなく、カーリーという参加者の脚にけいれんが起こる。カーリーは歩行速度を維持できなくなり、警告を受ける。その後も速度を戻せず、兵士によって射殺される。残った参加者たちはカーリーの遺体が残された道路を通過しながら歩き続ける。
参加者たちは歩きながら互いに会話する。レイはマクヴリーズと話すようになり、二人は歩行中にそれぞれの身の上について語る。レイは、政府に抵抗していた父親がメジャーによって処刑されたことを話す。レイはロングウォークで優勝し、与えられた願いを利用してメジャーを殺すことを考えている。
参加者たちの中ではバーコヴィッチが他の参加者を挑発するような言動を繰り返している。ランクという参加者がバーコヴィッチに襲いかかり、規則に反する行動を取ったため兵士によって射殺される。マクヴリーズはバーコヴィッチの行動を非難する。
参加者たちは歩行を続ける。時間が経過するにつれて、疲労や負傷によって歩行速度を維持できなくなる者が現れる。規定の速度を下回った参加者には警告が与えられ、歩行を続けられなくなった者は兵士によって射殺される。
ハンク・オルソンも歩行によって体調を崩し、意識がもうろうとした状態になる。オルソンは兵士に対して行動を起こし、その後射殺される。残った参加者たちは歩行を続けながら、オルソンが結婚していたことを知る。参加者たちはオルソンの妻に金を送ることについて話す。
バーコヴィッチはその後、他の参加者たちと行動するようになる。しかし歩行が続くにつれて状態が変化し、最終的に自分の首をスプーンで刺して死亡する。
参加者がさらに減っていく中、レイ、マクヴリーズ、ステッビンズ、アート・ベイカー、コリー・パーカーが残る。
レイが故郷のフリーポートを通過すると、沿道に母親の姿を見つける。レイは母親のもとへ向かうため道路から外れる。規則に反したため兵士がレイを射殺しようとするが、マクヴリーズがレイを道路へ引き戻す。レイは歩行を続ける。
その後、コリーが兵士の銃を奪い、兵士を撃つ。別の兵士たちがコリーを撃ち、コリーは負傷する。コリーは奪った銃を使って自分自身を撃ち、死亡する。
アート・ベイカーも歩行を続けるが、身体の内部で出血が起こる。アートはレイとマクヴリーズに別れを告げて歩くのをやめる。兵士がアートを射殺し、残った参加者はレイ、マクヴリーズ、ステッビンズの3人になる。
ステッビンズは歩行を続けながら、自分がメジャーの非嫡出子であることをレイとマクヴリーズに明かす。ステッビンズはロングウォークで優勝し、賞品として与えられる願いを使ってメジャーの家に迎え入れてもらうことを目的として参加していた。
しかし、ステッビンズも次第に歩行を続けることができなくなる。ステッビンズはレイとマクヴリーズに別れを告げて歩くことをやめる。兵士がステッビンズを射殺し、残る参加者はレイとマクヴリーズの2人になる。
レイとマクヴリーズは2人だけで歩き続ける。長時間の歩行が続いた後、マクヴリーズは歩くことをやめて道路に座り込む。レイはマクヴリーズをその場に残さず、立ち上がらせて再び歩かせる。
マクヴリーズが歩き始めた後、レイは歩行をやめる。レイは道路上に座り込み、規則に従って兵士に射殺される。これによってマクヴリーズが最後の参加者となり、ロングウォークの優勝者になる。
メジャーはマクヴリーズに優勝者としての賞品を与え、願いを一つかなえると告げる。マクヴリーズは金銭などではなく、兵士が持っているカービン銃を要求する。メジャーは願いを認め、マクヴリーズに銃を渡す。
マクヴリーズは受け取った銃をメジャーに向け、レイのためだと告げてメジャーを射殺する。その後、マクヴリーズは銃を持って道路を歩き、その場から離れておしまい。
●感想
冒頭からロングウォークの競技が始まるので、序盤のテンポはかなり良いです。50人の少年が道路に並び、メジャーからルールを説明され、そのまま歩き始めるという流れなので、最初から何が始まるのかが明確で期待が高まりました。
ただ、実際に歩き始めてからは、かなり長い時間を歩きながら参加者同士が話す場面が続きます。登場人物それぞれの過去やロングウォークに参加した理由が会話によって説明されていくのですが、映像としては道路を歩いている場面が中心になるため、どうしても単調に感じてしまいました。
参加者が一人ずつ脱落していく構成も、基本的には「歩く→身体や精神の限界が来る→規則を守れなくなる→警告を受ける→処刑される」という流れが繰り返されます。そのため、途中から次に誰が脱落するのかという展開が似た形になっているように感じました。
特に、それまで会話の中で人物の背景が説明された直後に、その人物が極限状態になって突然行動を変える場面があります。何がきっかけでそこまでの行動に至ったのかを十分に描く前に離脱してしまう人物もいるため、「なぜ急にそんな行動を取ったのか」と感じるところがありました。
レイとマクヴリーズを中心に見ると、二人の会話が物語を進める役割を持っています。ただ、参加者が歩き続けるという設定上、どうしても同じような道路の映像が続きます。景色が変化しても基本的な行動は歩くことなので、映像面でも単調さを感じました。
もう少しロングウォークそのものを利用した見せ場があってもよかったと思います。参加者同士の駆け引きや、道路上で起きる予想外の出来事など、歩き続けること以外の緊張感を強くする場面が増えていれば、後半まで違った感覚で見られたと思います。
一方で、最後にレイとマクヴリーズの二人だけが残り、レイが自分の歩行をやめることでマクヴリーズを優勝させる展開は、それまで二人が歩きながら話してきた関係を踏まえた結末になっています。そして、優勝したマクヴリーズが願いとしてカービン銃を選び、メジャーを射殺するところまで描くことで、ロングウォークという競技そのものを支配していたメジャーとの関係にも決着をつけています。
ただ、個人的には、そこへ至るまでの過程でもう少しハラハラする展開や、映像的に強く印象に残る見せ場が欲しかったです。設定そのものは非常に面白く、50人が歩き続けて最後の一人になるまで競い合うというルールも分かりやすいだけに、同じ「歩く」という行動をどのように映画的な緊張感へ変えていくのかが、自分には少し物足りなく感じられました。
☆☆
鑑賞日:2026/08/23 Amazonプライム・ビデオ
| 監督 | フランシス・ローレンス |
|---|---|
| 脚本 | JT・モルナー |
| 原作 | スティーブン・キング |
| 出演 | クーパー・ホフマン |
|---|---|
| デヴィッド・ジョンソン | |
| マーク・ハミル | |
| ギャレット・ウェアリング | |
| トゥット・ニュオット | |
| チャーリー・プラマー | |
| ベン・ウォン | |
| ローマン・グリフィン・デイビス | |
| ジョーダン・ゴンザレス | |
| ジョシュ・ハミルトン | |
| ジュディー・グリア |


