映画【殺し屋1】感想(ネタバレ):暴力×笑い×変人キャラ!見る者を選ぶトンデモ快作

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●こんなお話

 泣き虫だけどめっちゃ強い殺し屋1が新宿の平和を取り戻そうとする集団に洗脳されていて、ヤクザたちを殺していく話。

●感想

 寺島進さんが油をぶっかけられ、渋川清彦さんが顔面を何度も刺され、首は飛ぶし内臓もぶちまけられるしと、やりすぎな暴力描写のオンパレード。でもそれを演じるのが豪華でクセ者揃いのキャストというのが、この映画の面白さでした。登場人物たちの狂気を、実力派の役者たちが全力で演じているのがとにかく見どころだと思います。

 変なキャラが変なことを好き放題やる映画という感じで、真面目に観ようとすると肩透かしだと思いますが、そのトンチキ具合を楽しむ作品だと思います。浅野忠信さんなんか、自分で舌を切って「しゃべってりゃ治る」とか謎すぎる民間療法を始めて爆笑できたり、「こえーこえー」と言いながら殺し屋と渡り合う姿は妙に可笑しいです。松尾スズキさんの双子役も強烈で、塚本晋也さんの不気味さはさすがの存在感。SABUさんの演じる熱い男も良いアクセントになっていました。

 物語は、殺し屋イチがヤクザを一人ずつ消していき、それを追う組織の人間たちとの攻防が展開していく。話のベース自体はシンプルですが、キャラクターの濃さと突飛な展開で最後まで飽きずに観られました。

 とはいえ上映時間は約2時間あって、イチのトラウマにまつわる描写や回想がやたら長く感じる部分もあったり。そこまで掘り下げが必要だったのか疑問もあり、と思えば急に話がぶっ飛んだりもして、ついていくのが大変な箇所も。たぶん原作漫画を読んでいれば理解しやすい構成だと思いますが、未読だと「なんで今これ?」と困惑する瞬間も多めでした。

 グロ描写が多くて、人が死ぬのをコメディタッチで描いているので、観る人によってはかなり不快に感じるかもしれないですが。逆にそのブラックさを笑いとして楽しめるタイプの人には、刺さるシーンが山ほどあると思います。好き嫌いはかなり分かれる作風だと思いますが、強烈な体験として記憶に残る映画なのは間違いなかったです。

☆☆☆

鑑賞日:2014/08/09 DVD

監督三池崇史 
脚色佐藤佐吉 
原作山本英夫 
出演浅野忠信 
大森南朋 
塚本晋也 
SABU 
エイリアン・サン 
小林宏至 
菅田俊 
國村隼 
有薗芳記 
松尾スズキ 
寺島進 
手塚とおる 
KEE 
新妻聡 
モロ師岡 
木下ほうか 
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