●こんなお話
文明が崩壊した世界で、パイロットの男が謎の無線通信を追い、新たな生存者たちと出会いながら生き延びる話。
詳細ネタバレあらすじ
2035年。世界的なインフルエンザの大流行によって人口の大半が失われ、社会の機能も崩壊している。コロラド州エリーでは、パイロットで整備士のヒグが、元海兵隊員のバングリーと愛犬ジャスパーとともに、使われなくなった空港を拠点に暮らしている。ヒグは黄色いセスナ機を使って周辺を飛び、食料や燃料、医薬品などを集めている。近くには集落があり、ヒグはそこへ医薬品などを届けている。
バングリーは空港に大量の武器を保管し、外部から近づく人間を警戒している。ヒグとバングリーは同じ場所で生活しているが、生存者への対応には違いがある。バングリーは外部の人間を危険な存在として扱い、ヒグは物資を集めるために空港の外へ出ている。二人は食料や燃料などを確保しながら、空港を拠点に生活を続けている。
ある日、ヒグがセスナ機を飛ばしていると、無線から謎の通信を受信する。誰がどこから発信しているのかは分からないが、ヒグは通信の相手を確認するため、発信源と考えられるグランドジャンクションへ向かうことを決める。バングリーはヒグが空港を離れることを警戒するが、ヒグはセスナ機で無線の発信源を追う。
ヒグはジャスパーを連れて行動する。ヒグにとってジャスパーは妻が残した犬でもあり、パンデミック以前の生活につながる存在になっている。ヒグはジャスパーとともに周辺を移動し、物資を探す。
その途中でヒグたちは武装した略奪者に襲われる。ジャスパーも襲撃に巻き込まれ、負傷して死亡する。バングリーは襲撃者たちを攻撃する。ジャスパーを失った後も、ヒグは無線の発信源を探すための行動を続ける。
ヒグはセスナ機でグランドジャンクション方面へ向かう。しかし飛行中に機体に問題が起こり、予定していた場所まで飛び続けることができなくなる。ヒグは山間部に着陸し、そこでポップスとシマという父娘と出会う。ポップスは外部から来たヒグを警戒し、銃を向ける。シマもヒグを警戒するが、ヒグとの接触が続くことで三人は行動をともにするようになる。シマは医療に関する知識を持ち、周囲の人間の治療を行っている。
ヒグはシマとポップスとともにグランドジャンクションへ向かう。目的は、無線から聞こえてきた通信の発信源を確認することにある。ヒグが空港を離れている間、バングリーはエリーの拠点に残っている。
そのころエリーの空港に武装した集団が現れる。バングリーは空港を守るために銃を使って応戦する。多数の襲撃者との戦闘によって空港の施設は被害を受け、バングリーも負傷
ヒグ、シマ、ポップスはグランドジャンクションに到着する。そこには生存者が集まっており、外の地域とは異なる環境が維持されている。電気が使われ、酒や音楽も存在する。施設を取り仕切っているのがダーリーンという元CAの女性。
しかし、シマを男性に差し出される流れになって、グランドジャンクションから脱出することになる。三人はグランドジャンクションを離れ、エリーへ戻る。
エリーへ戻ったヒグたちは、空港が襲撃によって破壊されていることを確認する。バングリーも負傷した状態で残っている。シマはバングリーを治療する。バングリーは生き延びる。ヒグ、シマ、ポップス、バングリーは再び同じ場所で生活することになる。
シマはメノナイトの集落にも関わり、子どもたちを診察する。ヒグも物資を集めるためにセスナ機を使い、周辺の生存者との関わりを続ける。ヒグとシマの関係も変化し、二人は一緒に行動するようになる。
ヒグ、シマ、ポップス、バングリーはエリーの空港を拠点に生活を続ける。ヒグはセスナ機を使い、シマは周囲の人間の治療を行う。バングリーとポップスも同じ場所で生活し、4人で物資を確保しながら暮らしていく。最後にヒグはシマと夜空を見る。ヒグは星を見上げ、ジャスパーの名前を星と結びつけて話しておしまい。
●感想
大規模な終末世界を前面に出したアクション映画というより、ヒグ、バングリー、シマ、ポップスら、それぞれの人物をじっくり見せる作品になっていました。特に役者さんのお芝居をじっくり見る時間が多く、ジェイコブ・エロルディ、ジョシュ・ブローリン、マーガレット・クアリー、ガイ・ピアースらの組み合わせも良かったです。
一方で、全体としてはかなり地味でした。荒廃した世界を舞台にしているので、もっと大きな事件が次々と起こる作品を想像していましたが、実際には人物同士の会話や生活の描写が長く、展開もゆっくりしています。そのため、途中で眠たく感じるところもありました。
その中で、見せ場になる場面ではしっかりハラハラドキドキさせてくれます。特に無線通信をきっかけにヒグが向かった先で巻き込まれる出来事は、それまでの静かな展開との落差もあって面白かったです。グランドジャンクションの場面は、それまでとは雰囲気が大きく変わり、ダーリーンを演じるアリソン・ジャネイの登場も含めて、ちょっと笑ってしまうような場面がありました。
そして印象に残ったのが、ジョシュ・ブローリン演じるバングリーの戦闘です。ヒグが不在の空港をバングリーが守る場面は、夜の暗闇の中で多数の襲撃者を相手に戦う展開になっており、ここはかなりハラハラドキドキしました。普段はヒグとの会話が中心になっているバングリーが、武器を使って空港を守る姿をじっくり見られる場面としても良かったです。
ただ、終末世界を描いた作品なので、見ていると「燃料や電力はどうやって確保しているんだろう」といった現実的な部分が気になってしまいました。ヒグがセスナ機で物資を集めに行く場面はありますが、長期間にわたって飛行機を維持するための燃料や整備については、それほど細かく描かれていません。
静かな人間ドラマを中心にした終末ものとして見ると、役者さんのお芝居をじっくり楽しめる作品でした。一方で、終末世界ならではのサバイバルやアクションを期待すると、展開のゆっくりした部分が長く感じられるかもしれません。個人的には、静かな場面と戦闘場面の差が大きく、見せ場になるところは楽しめましたが、全体としてはもう少しテンポよく進んでほしかったです。
☆☆☆
鑑賞日:2026/08/30 イオンシネマ座間
| 監督 | リドリー・スコット |
|---|---|
| 脚本 | マーク・L・スミス |
| 原作 | ピーター・ヘラー |
| 出演 | ジェイコブ・エロルディ |
|---|---|
| ジョシュ・ブローリン | |
| マーガレット・クアリー | |
| アリソン・ジャネイ | |
| ガイ・ピアース |

