映画【ある映画監督の生涯】感想(ネタバレ)

●こんなお話

　溝口健二監督の関係者にインタビューした話。

●感想

　まず溝口健二監督を語る出演陣が圧巻で、日本映画界の大スターや巨匠たちが次から次へと登場します。

　伊藤大輔監督の動く姿を見られるなんて驚きでした。他にも宮川一夫キャメラマン、川口松太郎さん、脚本家の依田義賢、助監督であった増村保造監督等の映像を観れるのもよかったです。

　39人の証言から出てくると現場ではものすごい厳しく、溝口監督の要求に答えるスタッフや俳優たちの熱意と誇りが伝わってきました。
　酒が好きで酒乱の気があり、女性も大好き。若い時に女性に背中を切りつけられる事件なんかも起こります。
　更に戦前からの映画製作の事情や撮影法についても語れていて、それを知ることができるというだけでも貴重な映画だと思いました。

　ただ、溝口映画を全く知らないと退屈なインタビュー集になってしまうかと思いました。それに新藤監督の誘導的な質問なんかも気になってしまいました。
　ただ、やたらと溝口監督との関係を問いただすのに対して田中絹代さんとのやりとりの緊張感ったらなかったです。

☆☆☆

鑑賞日: 2013/03/26　DVD