●こんなお話
1960年代に白人家庭でメイドとして働く主人公とジャーナリストとかの話。
●感想
オープニングの奥様たちの集まりの朝で、一気に街の住人を紹介していき。黒人メイドたちの現状をさらっと描いて、白人女性の当時の価値観も紹介して素晴らしい紹介のシーンだったと思います。
2012年現在の価値観で見ると、考えられないような価値観の持ち主ですが。誰もが人種差別主義の考えを持っていて、それが当然の世界があったのだと知ることができて興味深かったです。婦人たちのリーダーが悪役のように描かれていますが、彼女は黒人だけでなく自分の元カレと結婚した白人女性すら仲間はずれにするような人物なので簡単な差別主義というわけでなく、誰でもそういう人物になってしまうというのを描いていてよかったです。
映画は、メイドさんたちが現状をどう思っているのか。作家志望の女性がインタビューしようとするところから始まりますが。この女性も、「女性だから」という理由で主婦向けのコラムを任せられるという差別を受けているので。差別される側の気持ちがわかっていることがわかります。
そして、トイレだったり警官の対応だったり日常に当たり前にある差別の描写が次々出てきて。それに耐えていくメイドさんたちを描いていきます。
ただ、登場人物全員の関係が変化していく様子を描いていくのでちょっと長く感じてしまいました。メイドたちをはじめ、主人公である作家とその母親と昔から使えてたメイドだったり明るい白人女性でグループに属さずメイドにも明るく対応する女性だったりと。
確かに傷を負うエピソードとして、その過去で深い反省をする母親というのを描いていてますがちょっと長かったです。他にも、描く人たちがたくさんいるので、どれもが良くて感動的で素晴らしいですが。もう少し人数を絞って欲しかったです。
それに出てくるのは、ほとんど女性だけで当時の男性がどういう風に考え行動していたのかが気になりました。1人はお金の話をされるとそそくさ逃げ、1人は妻が元気になったと感謝する男の人しか描いていなかったと思います。あと、本を出版するのに反対する男性。
とはいえ、映画はメイドさんが言う「ここから始まり」というようにまだ終わってない問題としてエンディングを迎えてフェードアウトしますが。これまた余韻の残す素晴らしいエンディングでよかったです。
☆☆☆
鑑賞日:2012/04/08 イオンシネマ新百合ヶ丘
監督 | テイト・テイラー |
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脚本 | テイト・テイラー |
原作 | キャスリン・ストケット |
出演 | エマ・ストーン |
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ヴィオラ・デイヴィス | |
オクタヴィア・スペンサー | |
ブライス・ダラス・ハワード | |
ジェシカ・チャステイン | |
アリソン・ジャネイ | |
シシー・スペイセク |