映画【呪怨 ザ・グラッジ3】感想(ネタバレ):アパートを舞台に迫る怨霊の恐怖

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●こんなお話

 渡米したカヤコとトシオくんがアメリカのアパートで呪いをかける話。

●感想

 前作で生き残ったジェイク少年は精神病院に入れられていたが、伽椰子の幻影に怯え続けており、周囲から危険人物として扱われるようになっていた。やがて彼は院内で伽椰子の怨念に取り憑かれ、無惨な最期を遂げる。

 その呪いが根付いたアパートには、新たに画家のマックスと妹のリサ、病弱なローズの三人兄妹が暮らしていた。マックスはアパートの管理人をしながら制作を続け、リサは恋人との将来を模索し、ローズは不安定な体調と向き合いながら生活をしていた。だが、彼らの身近で次々と怪異が起こり、住人たちは一人また一人と伽椰子に襲われ命を落としていく。

 一方、日本から伽椰子の妹である霊媒師・鮎美が渡米し、呪いを断ち切ろうと儀式を試みる。彼女はマックスたちに協力を求め、怨霊を鎮めるための手順を進めるが、伽椰子の力は凄まじく。マックスは呪いに蝕まれ、次第に伽椰子の夫のように変貌していく。最終的に鮎美は命を賭けて儀式を行い、伽椰子の力を封じたかに思えたが、彼女自身が取り込まれてしまう。そして物語はリサが伽椰子に抱きつかれる場面で終わりを迎える。

 舞台の大半がアパートの内部で展開するため、物語のスケールは小さく感じられました。その中で、日本の幽霊がアメリカのアパートを舞台に暴れるという異質な組み合わせは、ある種の独特な面白さを持っていたと思います。

 ただ、住人が順番に犠牲になっていく展開は前作から続く流れの繰り返しに近く、伽椰子のアプローチも新鮮さを欠いていた印象です。Jホラーがハリウッドに渡って三作目となり、工夫の難しさを改めて実感させられる作品でした。特に伽椰子の妹という後付け設定は驚きましたが、登場したわりに大きな活躍を見せることがなく、物語全体を牽引するほどには至らなかったのが残念に感じました。

 それでも、呪怨シリーズが持つ独特の恐怖の空気感は健在であり、日常に忍び込む怪異の不気味さは確かに伝わってきました。Jホラーのアメリカ展開としての試みを体感するという意味では、一見する価値があると思います。

☆☆

鑑賞日:2010/09/23 DVD 2020/08/05 DVD 2025/10/02 U-NEXT

監督トビー・ウィルキンス 
脚本ブラッド・キーン 
出演ジョアンナ・ブラッディー 
ギル・マッキニー 
池端えみ 
ジェイディ・ホブソン 
ボー・マーシェフ 
堀内亜依子 
土屋神葉 
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