映画【THE JUON/呪怨】感想(ネタバレ):アメリカ人一家が日本で怪異に襲われる。

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●こんなお話

 アメリカ人たちが思い切り日本家屋で日本のお化けにアタックされていく話。

●感想

 アメリカから東京へ移り住んだウィリアムズ一家。妻ジェニファーは異国での暮らしに馴染めないまま、姑エマの介護に追われる日々を送っていた。しかしエマが住む家には、過去に起きた惨劇の呪いが染みついており、不穏な出来事が次々と姿を現し始める。ジェニファーは黒い影に襲われて行方不明となり、夫マシューも同じく家の中で姿を消してしまう。

 介護ヘルパーとして派遣された留学生カレンは、初めて足を踏み入れた瞬間に異様な空気を察知する。二階の部屋では不可解な雰囲気をまとった少年トシオと遭遇し、現実離れした状況に戸惑う。やがてエマは原因不明の死を遂げ、カレンは警察に事情を聴かれることになる。刑事ナカガワは、この家ではかつて竹内清とその妻伽椰子が惨殺された事件があり、それ以来ここに入った人間は必ず命を落とすと語る。

 カレンは周囲で怪異を繰り返し目にし、次第に恐怖が増していく。上司アレックスも行方不明となった介護士の霊に襲われて命を落とし、呪いの連鎖は止まらない。恋人ダグがカレンを救おうと家に入るが、伽椰子の霊に襲われ絶体絶命の危機に陥る。カレンはガソリンを撒いて炎を放ち、呪いを焼き払おうと試みるが、燃え盛る家の中で伽椰子が姿を現し、彼女は気を失ってしまう。病院で目覚めたカレンは焼け跡を訪れるが、そこに横たわっていたのは恋人ダグの遺体だった。呪いは消えることなく、伽椰子は再びカレンの前に現れる。

 物語は、アメリカ人の主人公が日本で介護士として働き、呪われた家に関わってしまうことから始まり、その家で過去に何があったのかを回想形式で描き出すという構成でした。恐怖体験の場面は、ほとんどジェットコースターのように畳みかける演出で、次から次へと心霊現象が連発し、観客がその映像をどう受け止めるかで楽しさが変わっていく映画だと感じました。

 ただし、家の過去が刑事の口から説明される後半は、やや停滞感がありました。緊張感が一気に削がれ、ホラーとしての勢いが弱まってしまう印象も否めません。また、舞台は純和風の住宅なのに、そこにアメリカ人一家が暮らしているという設定が違和感を呼び、説得力の薄さから没入しにくい部分もありました。

 一方で、伽椰子が夫から受けた暴力や執着によって生まれた惨劇が描かれるフラッシュバックの場面は迫力があり、ストーカーじみた愛情やDVがもたらした歪みの恐怖が強調されていました。次々と襲いかかるお化けの演出はまるでお化け屋敷のようで、100分間ノンストップで恐怖を浴び続けられる娯楽性を備えていたと思います。観る側の耐性によって評価が分かれるかもしれませんが、ホラー体験を味わいたい人にとっては十分に楽しめる作品でした。

☆☆☆

鑑賞日: 2014/03/02 DVD 2025/09/22 U-NEXT

監督清水崇 
脚本スティーヴン・サスコ 
オリジナル脚本清水崇 
出演サラ・ミシェル・ゲラー 
ジェイスン・ベア 
ウィリアム・マポーザー 
クレア・デュヴァル 
ケイディー・ストリックランド 
グレイス・ザブリスキー 
ビル・プルマン 
石橋凌 
尾関優哉 
藤貴子 
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