アニメ【スター・ウォーズ クローン・ウォーズ シーズン3】感想(ネタバレ):アクションとキャラクターで魅せる濃密なシーズン

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●こんなお話

 クローンウォーズが相変わらず続いてるシーズン3。

●感想

 1話あたりは25分ほどと短めながら、それぞれのエピソードにアクションやサスペンスがきっちり詰まっていて、気がつけば続けて見てしまう面白さがありました。基本的には1話完結の構成ながら、2話3話と数話でひとつのストーリーを描く形式もあり、まとまりのある見ごたえと、テンポよく展開する内容とのバランスがとれていて非常に見やすかったです。

 アクションシーンに関しても、毎回のように何かしらの戦闘や追跡、潜入作戦などが盛り込まれていて、それぞれが印象に残る作りになっていました。クローン・トルーパーたちとジェダイの連携もカッコよく、ライトセーバーが光るたびにワクワクする気持ちがありました。

 個人的にテンションが上がったのが、映画シリーズに登場するキャラクターたちが次々と登場するところでした。たとえば、モフ・ターキンが囚われの身として登場するエピソードでは、アナキンと彼の思考や行動が重なっているような描写が見られて、のちの展開を思うとなんとも感慨深かったです。こうしたさりげない未来への伏線のような描き方が、スター・ウォーズを見続けているファンには嬉しいポイントだと思います。

 さらに、最終話にはチューバッカが登場して大暴れする場面もあって、劇場版からの流れを汲む演出にニヤリとさせられました。おなじみのキャラクターが意外な場面で出てくると、それだけで作品世界の広がりを感じさせてくれます。

 このシーズンでは、シスたちの間にも複雑な対立が描かれていて、ドゥークー伯爵の弟子ヴェントレスが裏切られた結果、彼女自身がダークサイドの力を使ってダース・モールの種族をマインドコントロールする展開も登場します。この種族が集められて“最強の戦士”として育てられていく様子はなかなか迫力があり、そのままドゥークーとの直接対決に至る流れもアクションの盛り上がりとして良かったです。しかもそこにさらに別の勢力も加わって三つ巴の戦いになっていく展開は、単純にバトルシーンとして手に汗握る迫力がありました。

 また、フォースの星に訪れるエピソードも印象に残りました。従来のジェダイの思想とは異なる視点や存在と出会い、ジェダイの中に眠る影のようなものに触れる内容になっていて、スター・ウォーズの神秘的な部分にフォーカスした構成が面白かったです。

 政治的な駆け引きも描かれていて、アミダラが戦争を拡大させまいと分離主義者の旧友と交渉に臨む姿もあって、彼女の理想や立場が丁寧に掘り下げられていたのが良かったです。こうした政治劇があることで、単なる戦いの物語ではないことがより強調されていて、子どもだけでなく大人が見ても考えさせられる要素がありました。

 映画に登場したジャバ・ザ・ハットの親戚、ズィロ・ザ・ハットのエピソードもあり、彼の顛末が語られることでアンダーグラウンドの世界にも触れられていて、銀河の多層的な社会構造を感じられました。

 そして何より印象的だったのは、アナキンの思考が、のちの帝国軍幹部たちと徐々に近づいていっているように描かれている点です。戦争を早く終わらせるために手段を選ばない姿勢や、強硬な判断を下す場面などがあり、若き日の彼がどのように変化していくのかを知っているからこそ、細かい描写にも目が離せませんでした。今後の展開にも自然と目が向く、そういったささやかな仕掛けが随所に散りばめられているシーズンでした。

☆☆☆☆

鑑賞日:2021/11/06 Disney+ 2024/02/09 Disney+

総監督デイブ・フィローニ
原作ジョージ・ルーカス
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