ドラマ【ザ・ボーイズ シーズン3】感想(ネタバレ):超能力と社会の歪みがぶつかる!

The Boys Season 3
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●こんなお話

 議員が能力者だとわかってやばいぞってなったり、死んだはずの昔のヒーロー軍団のリーダーが復活してボーイズとかとの戦いの話。

●感想

 能力者たちがメディアと世論に翻弄されながら、笑ってしまうような暴力と悪趣味で駆け抜けるシリーズ第3シーズン。ヒューイは政府の能力者管理局に就職し、かつての仲間ブッチャーたちはその下で活動することになる。冒頭から登場する小さくなれる能力者の捕獲任務で、一気にテンションが上がる導入になっていて、観る側の心を鷲掴みにしてくれるものでした。

 管理局のトップが実は能力者だったことが明らかになり、その過去を知る人物の登場によってヒューイは何かがおかしいと気づき始める。ホームランダーはかつてのナチスとの関係が暴露され、人気が地に落ちそうな勢い。ヴォート社はスターライトを共同リーダーに据えることでバランスを取ろうとするが、それがかえってホームランダーを追い詰める。ヒーローオーディション番組ではスターライトの元恋人が登場して、ヒューイがちょっとヤキモキするなど、人間関係のドラマも絶え間なく続いていく。

 一方で、ディープは新興宗教団体から離れ、左遷を経てセブンに舞い戻ってくるが、その存在がまたもやスターライトに重くのしかかる。スターライトが秘密裏に動いていることに気づいたホームランダーは、元恋人を殺害し、彼女を脅して支配しようとする。クイーン・メイヴも幽閉され、組織の中で孤立が進んでいく。

 ブッチャーたちは、ホームランダーを倒せる可能性がある兵器がロシアにあるという情報を元に、現地へ向かう。そしてそこで眠っていたのが、かつてのヒーローチーム「ペイバック」のリーダー、ソルジャーボーイ。目覚めたソルジャーボーイは、自分をロシアに売ったかつての仲間たちへの復讐に燃え、ブッチャーやヒューイとともに行動を共にするようになる。

 彼らは一時的に能力を得る薬を使い、能力者として戦うようになるが、その薬には強い副作用があり、使いすぎると脳が溶けるという危険がある。それでも正義のためならばと、自分の身体を犠牲にしてでも突き進む姿が描かれていく。

 ホームランダーは、自分がソルジャーボーイの遺伝子から生まれた存在であることを知り、アイデンティティが揺らぎ始める。その事実を知っていながら黙っていたブラック・ノワールに激怒し、彼を殺害。一方、ヴォート社に乗り込むボーイズたち。爆発寸前のソルジャーボーイを止めるため、クイーン・メイヴが彼を抱えて飛び立ち、大きな爆発の中で姿を消す。

 社会はホームランダー派とスターライト派に二分され、能力者である管理局の長官が副大統領候補となったことで、次のターゲットが明確になる。そして物語は新たな段階へ。

 フレンチーとキミコの関係も丁寧に描かれ、フレンチーの過去の犯罪組織からの追手、能力を失いたいと願うキミコの葛藤、能力を失った状態でフレンチーを守れない無力感、そして再び能力を得る決意。MMは家族を殺された過去からソルジャーボーイへの復讐に燃える。

 テンポよく転がる展開と、やりすぎなくらいに飛び散る肉片。悪趣味な演出と超能力バトルがこれでもかと続く中、あっという間にロシアからニューヨークへ戻ってきたり、簡単に薬を手に入れたりと、スピード感も満点でした。ラストのヴォート社への潜入と大バトルは、いろんなことが一気に解決する気持ちよさと共に、このシーズンのおしまい。

 超能力をくだらないことに使ったり、人が爆発する瞬間を派手に映し出したりするその姿勢に、作り手の悪ノリを感じながらも、笑って楽しめるシリーズでした。

☆☆☆☆

鑑賞日:2022/07/29 Amaonプライム・ビデオ 2024/06/27 Amaonプライム・ビデオ

製作総指揮エリック・クリプキ
セス・ローゲン
フィル・スグリッシア
原作ガース・エニス
監督フィル・スグリッシア
出演カール・アーバン
ジャック・クエイド
アントニー・スター
ドミニク・マケリゴット
ジェシー・T・アッシャー
エリン・モリアーティ
ラズ・アロンソ
トマー・カポン
福原かれん
ネイサン・ミッチェル
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