●こんなお話
日本にターミネーターが現れて子どもたちが狙われたり、機械と禅問答したりする話。
●感想
スカイネットの脅威に対抗するためにAIを開発したある研究者を中心に物語が進行していきます。彼は非常に優秀な人物ですが、家庭内では子どもたちの世話を家政婦の女性に一任しており、家にロボットを入れることを固く禁じるなど、強い警戒心を抱いています。
ある日、子どもたちは無断で家を出てしまい、家政婦は動揺します。研究者とともに、子どもたちを探して奔走する中、未来から送り込まれたターミネーターが現れ、人々を容赦なく襲いながら子どもたちを追跡してきます。
やがて、未来から来た女性戦士も登場し、登場人物たちは複数のグループに分かれて逃走を図ります。家政婦と子どもたちは警察署に身を寄せるものの、家政婦には一切の履歴情報が存在しないという謎が明らかになります。そこへターミネーターが警察署を襲撃し、パニックに陥ります。そして、家政婦がターミネーターに攻撃され、腕を切断された際、彼女が実はロボットであることが判明するという展開。
同時に、世界では核兵器による攻撃が各地で発生し、文明は崩壊。日本においてもロボットによる反乱が起こり、人類は次第に滅亡の危機に瀕していきます。物語の後半では、研究者が実は未来から来た存在であり、スカイネットに対抗するためにこの時代でAIを研究していたという事実が語られます。
さらに、ココロというAIがターミネーターと戦う役割を担い、電磁パルスを発動するか否かという判断が子どもたちに委ねられ、葛藤の中で彼らの成長や苦悩が描かれつつ。最終的に子どもたちは逃げ延び、話はおしまい。
しかしながら、研究者と彼が開発したAIとの対話が非常に抽象的かつ哲学的で、禅問答のようなシーンが毎話繰り返されるため、物語の焦点がどこにあるのかが非常に分かりにくく、鑑賞中に混乱を覚えました。
また、ターミネーター作品として期待されるような、スリリングで迫力のあるアクションシーンが少なく、ビジュアル表現もアニメーション作品としての魅力がやや乏しく感じられました。警察署での惨劇やロボットによる虐殺といった描写も淡々と進行するため、感情が動かされることは少なく、観ていて緊張感が持続しない印象を受けました。
その一方で、子どもたちの自発的な行動や、父親との関係における葛藤などは丁寧に描かれており、テーマとしては興味深いものが含まれていたように思います。ただ、それらも物語のテンポや演出の問題から、全体としては観ていてフラストレーションの残る展開が多く感じられた作品でした。
☆☆
鑑賞日:2024/09/06 NETFLIX
監督 | 工藤昌史 |
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制作総指揮 | マットソン・トムリン |
出演(声) | 間宮康弘 |
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内田夕夜 | |
種﨑敦美 | |
行成とあ | |
早見沙織 | |
下野紘 | |
石上静香 | |
佐藤みゆ希 |