映画【エイリアン:ロムルス】感想(ネタバレ):未知の恐怖とAIの変異が襲う!宇宙船を舞台にしたサバイバルホラーの新境地

Alien Romulus
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●こんなお話

 今だと生活がじり貧だから宇宙で発見した廃船の中を探検したらエイリアン復活して襲われる話。

●感想

 宇宙を漂うノストロモ号を探索するシーンから始まります。探査チームは何かを発見して持ち帰ろうとしており、その目的には何やら不穏な気配。場面は変わり、ある労働惑星にて、主人公は日々の労働に励みつつも、アンドロイドとの言葉遊びを交わしています。しかし、突如として契約を打ち切られ、将来の展望が閉ざされてしまうという展開に見舞われます。

 そんな折、かつての恋人とその仲間たちが現れ、「廃棄された宇宙船からコールドスリープ装置を持ち帰れば一生働かずに済む」と持ちかけてきます。最初はアンドロイドの存在をからかわれ、同行を断りますが、やがて考えを変えて出発を決意。アンドロイドが侵入に不可欠な存在であることから、彼も同行させることになります。

 廃船に侵入した一行は、変死体や荒れた船内に動揺しながらも、コールドスリープ装置を発見します。しかし、船の燃料が足りないことが判明し、さらに奥へと探索を進めることに。そこで施設が突如ロックダウンし、仲間が閉じ込められてしまいます。

 アンドロイドにはロック解除の権限がなかったため、壊れたアンドロイドからチップを取り出し、それをインストールして再起動させます。ちょうどその時、フェイスハガーが孵化し、仲間の一人の顔に襲いかかります。一行は混乱の中で何とか逃げ出しますが、壊れたアンドロイドが復旧し、事態の打開策を提示。フェイスハガーを除去して脱出する計画が進む中、アンドロイドが危険視し始め、感染者の隔離を主張し、追跡劇へと発展します。

 逃げ惑う一行の中には、主人公やアンドロイドを置き去りにし、宇宙船で先に脱出しようとする者も現れます。しかし、案の定、宇宙船内でエイリアンの誕生が起こり、制御不能なパニックが発生。宇宙船は廃船に衝突して爆発してしまいます。

 主人公たちは、残された仲間を救うために移動を開始します。新たなチップをインストールされたアンドロイドは、「会社の利益よりも主人公の保護」が最優先事項に変わり、行動に変化が見られます。

 途中、フェイスハガーが大量に潜むエリアを静かに通過しなければならない場面や、成長中のエイリアンに立ち向かう場面、硫酸の被害に苦しむシーンなど、ピンチな状況が続きます。また、閉じ込められた女性を助けようとするも、アンドロイドが扉の解錠を拒否してしまうなど、衝突も。

 脱出まで時間がない中、小惑星帯への衝突が迫り、最後の脱出劇が繰り広げられ。助けたと思われた女性が繭に包まれて生存していたり、エイリアンとの戦闘の中で無重力状態を利用した戦術を駆使したりと、アイデアに富んだ演出が満載でした。

 さらに驚きの展開として、研究所で入手した薬を注射した女性から、人間とエイリアンの混血のような巨大生命体が現れ、ラストバトルが繰り広げられます。

 若者たちが労働からの解放と一攫千金を夢見て挑んだ冒険が、やがて過酷な地獄と化すというテーマには、皮肉と哀しさが同居しています。フェイスハガーの大量発生、音を立てると即アウトのシチュエーション、透視装置を使った緊張感のある場面、無重力での銃撃など、見どころは多く、視覚的な刺激に富んでいます。アンドロイドが当初は頼りなかったのに、新たなプログラムで主導権を握るようになる展開にも、ゾクッとする恐ろしさがあり、魅力的でした。

 一方で、序盤の日常描写からエイリアンの襲来までの流れがやや冗長で、テンポに欠ける印象を受けました。また、シリーズ1作目に登場したアンドロイドと同じ顔が登場したことで混乱を招いたり、ラストに登場する混血の生命体の設定がほとんど説明されない点などは、観る側に不親切さを感じさせる部分でもありました。

 危機の連続を突破していく流れも、ジャンルの定番的な見せ方に終始してしまい、あまりスリルを感じることなく淡々と進行していく印象が強く、全体的にはやや退屈さが残る作品であったように思います。

☆☆☆

鑑賞日:2024/09/08 イオンシネマ座間

監督フェデ・アルバレス 
脚本フェデ・アルバレス 
ロド・サヤゲス 
出演ケイリー・スピーニー 
デヴィッド・ジョンソン 
アーチー・ルノー 
イザベラ・メルセード 
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