●こんなお話
いろいろ理不尽なことが起こってバカヤロー!と叫びたくなる話。
●感想
「パパの立場もわかれ」
お客様のクレーム対応の仕事をしているお父さん。日曜日もお客様のところへ足を運んで謝る仕事。家族からもずっと仕事でどこも連れて行ってもらえないと文句。旅行代理店の特権でパプアニューギニアへ飛行機のチケットを家族分ゲットして家族も楽しみ。けれども上司から得意先の相手にそのチケットを譲るようにと強制されてチケットを取り上げられてしまう。それを知った家族も落胆。
辛いサラリーマン生活の生き方が描かれていて家でも期待されていないお父さんという辛い立場を小林稔侍さんが哀愁のある疲れたお芝居がさすがでした。ですが、そこまでフラストレーションが溜まって最後に爆発という感じでもなく、酷いことをした上司にビールかけをするというくらいな仕返しがそれほどでもなく。「ここで終わり?」という中途半端な印象の1作でした。
「こわいお客様がイヤだ」
コンビニで深夜働く青年がお客さんに恋をするけど、同僚とかクレーマーとかにストレスが凄くなっていく話。
お客さんの女性に恋をしてその人に好かれようとサービスとかをするけど、犬を持ち込んだり勝手に商品を食べたりいろんなお客さんがいて大変。そのうちに夢か現実かわからなくなる描写が多用されて見ているこちらを翻弄する模様が楽しかったです。
「新しさについていけない」
引っ越しをした新婚夫婦が掃除機や洗濯機の音がうるさいとお隣さんから苦情がきたので、新しい電化製品をたくさん買う。けれどもそれが新商品ではなく古いタイプのもので騙されたんだと言われてストレスが爆発するという。
クライマックスで主人公の藤井フミヤさんが自分たちはこれで満足していたのに余計な情報を言ってくるからいけないんだと独白するところは物事の真理だと思いました。確かに別に知らなければよかったのに赤の他人が余計なお世話で本人の満足度幸福度が下がってしまうというのは現実世界にもよくあることだと思って、それを戯画化しているとは思いますが。納得できる終わり方でした。
「女だけトシとるなんて」
26歳の主人公は23歳だかの後輩が結婚をしたのをきっかけに恋人に相談するけど、煮え切らないので田舎に帰ってきちゃう。そこでいろんな企業に面接を受けるけど「将来結婚するんでしょ」「恋人はいるの?」と女性だからという質問ばかりにストレス爆発という。
制作当時の時代で26歳とか28歳とかでもう結婚適齢期が遅めというのがびっくりで、20代前半で結婚しなくていけないという強迫観念があったのだと知ることができる1篇でした。
2本目と4本目のエピソードが個人的には面白く見ることができました。ただ全体としてはフラストレーションがたまってからの爆発によるカタルシスは少なく、散漫な印象の映画でした。
☆☆
鑑賞日:2022/04/01 WOWOW
| 監督 | 本田昌広:(「パパの立場もわかれ」) |
|---|---|
| 鈴木元:(「こわいお客様がイヤだ」) | |
| 岩松了:(「新しさについていけない」) | |
| 成田裕介:(「女だけトシとるなんて」) | |
| 脚本 | 森田芳光 |
| 出演 | 小林稔侍「パパの立場もわかれ」 |
|---|---|
| 風吹ジュン「パパの立場もわかれ」 | |
| 高橋祐子「パパの立場もわかれ」 | |
| 橋爪功「パパの立場もわかれ」 | |
| 相田寿美緒「パパの立場もわかれ」 | |
| 十貫寺梅軒「パパの立場もわかれ」 | |
| 逗子とんぼ「パパの立場もわかれ」 | |
| 高森えりか「パパの立場もわかれ」 | |
| 中本美鈴「パパの立場もわかれ」 | |
| 野坂きいち「パパの立場もわかれ」 | |
| 斉藤寿美子「パパの立場もわかれ」 | |
| 柿沼利江子「パパの立場もわかれ」 | |
| 堤真一「こわいお客様がイヤだ」 | |
| 金子美香「こわいお客様がイヤだ」 | |
| 太田光「こわいお客様がイヤだ」 | |
| 金田明夫「こわいお客様がイヤだ」 | |
| 光石研「こわいお客様がイヤだ」 | |
| 島崎俊郎「こわいお客様がイヤだ」 | |
| 田中裕二「こわいお客様がイヤだ」 | |
| 柴谷英樹「こわいお客様がイヤだ」 | |
| 黒木まや「こわいお客様がイヤだ」 | |
| 桂木麻也子「こわいお客様がイヤだ」 | |
| イッセー尾形「こわいお客様がイヤだ」 | |
| 菅田俊「こわいお客様がイヤだ」 | |
| 小河麻衣子「こわいお客様がイヤだ」 | |
| 銀粉蝶「こわいお客様がイヤだ」 | |
| 小宮慎二「こわいお客様がイヤだ」 | |
| 宮田早苗「こわいお客様がイヤだ」 | |
| ベンガル「こわいお客様がイヤだ」 | |
| 吉次加奈子「こわいお客様がイヤだ」 | |
| 藤井郁弥「新しさについていけない」 | |
| 荻野目慶子「新しさについていけない」 | |
| 尾美としのり「新しさについていけない」 | |
| 柄本明「新しさについていけない」 | |
| 広岡由里子「新しさについていけない」 | |
| 竹中直人「新しさについていけない」 | |
| 佐藤恒治「新しさについていけない」 | |
| 大久保了「新しさについていけない」 | |
| 山田邦子「女だけトシとるなんて」 | |
| 市山登「女だけトシとるなんて」 | |
| 辻村真人「女だけトシとるなんて」 | |
| 水野久美「女だけトシとるなんて」 | |
| 香坂みゆき「女だけトシとるなんて」 | |
| 安藤一夫「女だけトシとるなんて」 | |
| 海一生「女だけトシとるなんて」 | |
| 伊藤洋三郎「女だけトシとるなんて」 | |
| 加藤善博「女だけトシとるなんて」 | |
| 桜金造「女だけトシとるなんて」 | |
| 金子研三「女だけトシとるなんて」 | |
| 阿本真亜子「女だけトシとるなんて」 | |
| 林田河童「女だけトシとるなんて」 | |
| アンヌ・マレイ「女だけトシとるなんて」 | |
| 石井きよみ「女だけトシとるなんて」 | |
| 杉澤幸恵「女だけトシとるなんて」 |


