●こんなお話
埼玉の田舎でヒップホップで食っていけるかどうかの若者たちの話。
●感想
埼玉の片隅でヒップホップグループを組んでいる主人公たち。バイトをしたり、実家のブロッコリー農家を手伝ったり、ニートだったり、それぞれが微妙な日常を過ごしている中で、先輩に頼んで曲を作ってもらおうと行動を起こす。
そんなある日、主人公は地元の本屋で高校時代の同級生と再会する。彼女は東京に行き、AV女優になったという噂がある女性。久しぶりに再会したものの、彼女からは現在ニートでヒップホップをやっていることを遠回しに小ばかにされ。さらに、その彼女を紹介しろと先輩たちに言われて怒りを爆発させたり。
地元の市民グループから「若者の音楽を知ろう」という名目でイベントに呼ばれ、ラップを披露するけど、「学校の教育は意味がない」「税金は払っていない」といった内容に眉をひそめられ、気まずい空気に包まれる。思いがけず大人たちとの温度差が露わになるシーンもありつつ。
そして、グループは少しずつ変化していく。1人は東京の別グループと活動するために脱退。もう1人は警備員として堅実に生きていく決意をする。主人公も地元の飲食店でバイトを始めたある日、偶然にもその元メンバーと再会。2人は言葉ではなくラップで気持ちをぶつけ合う。
ヒップホップを見下されながらも、それに立ち向かおうとする気まずさや葛藤を、長回しのラップシーンでテンポよく見せてくれて、笑いと緊張感が入り混じる楽しい作品でした。夢を追いたいけど、それが本当に意味のあることなのかと揺れる3人。それでももがきながら自分たちの表現を続けようとする姿に、痛さや共感、そしてどこか笑ってしまうような親しみを感じました。
☆☆☆
鑑賞日:2010/08/05 DVD 2024/06/10 Hulu
リンク
監督 | 入江悠 |
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脚本 | 入江悠 |
出演 | 駒木根隆介 |
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みひろ | |
水澤伸吾 | |
奥野瑛太 | |
杉山彦々 | |
益成竜也 | |
上鈴木伯周 |