映画【フロム・ダスク・ティル・ドーン】感想(ネタバレ):狂気の逃避行とヴァンパイア襲撃!アクション満載の異色サバイバル映画

From Dusk Till Dawn
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●こんなお話

 逃亡中の2人組の凶悪犯とその人質となった牧師一家が吸血鬼の群れと戦う話。

●感想

 物語は警官がコンビニに立ち寄り、何気ない雑談をしているところから始まる。だが、突如として主人公たちによって警官は射殺され、コンビニの店主までもが主人公の弟に撃たれてしまう。主人公は弟の行動をたしなめるが、銃撃戦は激化し、店は炎に包まれて退散を余儀なくされる。こうして主人公たちはニュースで大きく報じられる逃走犯となり、人質を取って逃亡を続けていく。

 モーテルで休息を取るなか、主人公は食料を調達しに外出し、弟は人質の女性と二人きりに。主人公が戻ると、弟がその人質を殺してしまい、怒りを爆発させる。一方で、物語は別の視点に切り替わり、奥さんを亡くして信仰を失った牧師とその子どもたちの一家がキャンピングカーで旅を続けている姿が映し出される。やがてその牧師一家は主人公たちのモーテルにやってきて、主人公は彼らを脅迫し新たな人質として連れていく。キャンピングカーでメキシコ国境を越える計画は成功。

 仲間が待つ店に到着した主人公たちは一息つくが、店員とトラブルを起こし、殺害してしまう。だが突然、ダンサーの1人が異様な姿に変身し襲いかかると同時に、殺されたはずの店員たちがヴァンパイアとして蘇り、客や主人公たちを襲い始める。主人公や生存者は必死に抵抗し、ヴァンパイアと激しい戦いを繰り広げる。ヴァンパイアの襲撃はエスカレートし、噛まれた者が次々とヴァンパイア化して仲間を襲いだす。逃げ込んだ奥の部屋には殺されたトラッカーたちの荷物が大量にあり、それを武器に変えて応戦。やがて夜明けが訪れ、朝日を取り込むことでヴァンパイアを撃退することに成功して、生き残った主人公と娘は別々の道を歩みおしまい。

 冒頭からイチャモンに近い理由で無差別に人を撃つ主人公兄弟の姿に一気に引き込まれました。信仰を失った牧師一家が人質となり、後半にはヴァンパイアとの異色の死闘が待ち受けるが、前半の人質描写は浅く、仲間同士の絆が短時間で出来上がるあたりは少し感情移入しにくかったです。運転手たちもすぐに仲良くなってしまうため、物語のつながりがやや薄く感じられました。とはいえ、常軌を逸した展開なので生き残るためにはチームでの協力が不可欠だったのかもしれないです。

 キャンピングカーでの検問突破だけが大きな障害で、逃避行の緊迫感があまり伝わらない点も主人公たちに感情移入しづらい要因だったと思います。もう少し登場人物の描写を丁寧にしてからヴァンパイアの襲撃を描くほうが物語としての厚みが出たと感じました。

 それでも、ヴァンパイアと対峙し個性的な戦法で戦うシーンは非常に盛り上がり。ピンチに追い込まれ、突如奥の部屋に逃げ込み大量の武器を見つけるというご都合主義的な展開だと思いますが、水道水を聖水に変えたりするアイデアも面白いですし。強行突破で戦いに突入し、何人かが犠牲になるという展開もバカバカしいながら味があり、結果的には味方が助けに来て決着する流れもある意味スリリングでした。

 何より、キレのある動きのジョージ・クルーニーやサイコなクエンティン・タランティーノの存在感は圧倒的で、彼らがヴァンパイアと戦うという設定自体がこの映画の最大の魅力。特にトム・サヴィーニとダニー・トレホのタイマン対決は最も盛り上がるシーンの1作でした。

☆☆☆

鑑賞日:2012/03/23 Blu-ray 2024/06/09 Hulu

監督ロバート・ロドリゲス 
脚本クエンティン・タランティーノ 
原案ロバート・カーツマン 
出演ハーヴェイ・カイテル 
ジョージ・クルーニー 
クエンティン・タランティーノ 
ジュリエット・ルイス 
チーチ・マリン 
フレッド・ウィリアムソン 
サルマ・ハエック 
マイケル・パークス 
ケリー・プレストン 
トム・サヴィーニ 
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