映画【スリ】感想(ネタバレ)

●こんなお話

　4人組のスリグループの前に女性が現れて彼女を助けようと頑張る話。

●感想

　家に文鳥が入ってきて、外に出すけどまた家に入ってきて「しょうがないなあ」な表情の主人公。香港の街へ繰り出して仲間と一緒にスリを働いて稼いでいる。

　主人公の前に印象的に現れる女性。他の3人のまえにも女性が現れる。エレベーターで一緒になって風船を押しあって割ったり、車が壊れて助けを求めてきてたり。その女性は老齢の男性のお世話をしていてうんざりしているっぽい。

　主人公は女性を家に招いて彼女の白黒写真を撮っていて、彼女がその写真を買い取って燃やしたり、文鳥が駕籠に飼われていることを話したり。

　主人公が街で女性を追いかけると女性は囮で男たちに襲われて腕を負傷。いつものご飯屋さんに行くと仲間たちも脚を骨折していたりみんな負傷している。女性の家で彼女を追いかけると女性は男性のお世話をずっとする人生を嘆いている。

　彼女のパスポートが入っている金庫の鍵を老人の男性がネックレスにしているので、それを盗もうと仲間たちがマッサージ店にいる老人に接近して盗もうとする。成功したと思いきや、老人の手のひらで転がされていて失敗。

　老人の子分たちが主人公たちの前に現れて老人と対面。パスポートをかけてスリ対決を申し込まれて、雨の香港でカミソリを使った盗み合戦をして、老人は「負けた」と認めて女性を解放。女性は香港を出ていく。そして主人公たちは香港で生活していくのでしたでおしまい。

　ジョニー・トー監督お得意の少年のような中年4人組を魅力的に描いていました。おじさん4人組で自転車に乗りながら香港の街並と美女との構図の映像センスも高くて素晴らしかったです。序盤からオシャレな映像で香港映画だというのを忘れてしまうようなものでした。クライマックスの雨の中を傘がいっぱい並んで歩いてというのとかも台詞なしで音楽と役者さんの動きだけで魅せてくれるのも面白く見れました。

　サイモン・ラムの笑顔が印象的で終始優しい雰囲気で進む映画で心があったまる映画でした。

☆☆☆

鑑賞日:2011/08/16 DVD　2023/12/16 DVD