映画【サウンド・オブ・フリーダム】感想(ネタバレ):児童人身売買捜査官の執念と救出劇

Sound of Freedom
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●こんなお話

 人身売買組織に誘拐された子供たちを救うために行動する捜査官の話。

●感想

 ホンジュラスに住む父親ロベルトは、息子ミゲルと娘ロシオを、モデルの仕事があると持ちかけられ、撮影現場へ同行させる。撮影終了後、スタッフは姿を消し、子どもたちは現場から連れ去られていた。ロベルトは警察に通報するが、捜索は進展せず、子どもたちの行方は分からないままとなる。

 アメリカでは、国土安全保障省の捜査官ティム・バラードが、児童ポルノ購入者を摘発する潜入捜査に従事している。捜査の過程で、売買組織に拘束されていた少年ミゲルを発見し、保護に成功する。ミゲルは自分の名前を名乗り、姉ロシオが別の場所へ連れて行かれたことをティムに伝える。

 ティムはミゲルをホンジュラスへ送り、父ロベルトと再会させる。ロベルトは娘ロシオの救出をティムに懇願する。ティムは上司の制止を受けながらも、コロンビアへ渡り、元カルテル関係者のヴァンピロと接触し、人身売買組織への潜入計画を進める。

 ティムは富裕層の買い手を装い、児童売買が行われる島へ入り込む。現地で行われた取引現場に踏み込み、複数の武装部隊と連携して50人以上の子どもを救出するが、その中にロシオの姿はない。捜査を進めた結果、ロシオが反政府武装勢力の支配地域に連れて行かれたことが判明する。

 その地域は政府の統治が及ばず、正式な捜査権限では立ち入れない場所だった。ティムは国土安全保障省を辞職し、個人として救出作戦を続行する決断を下す。医療支援団体を装って武装勢力の拠点に入り込み、現地でロシオの所在を確認する。

 ティムはロシオを監視していた指導者と接触し、すきをついて殺害。ロシオを保護し、その場から脱出することに成功する。ロシオは兄ミゲル、父ロベルトと再会し、家族は再び同じ場所で生活を始める。

 物語の最後には、実在のティム・バラードが児童人身売買の被害者救出や犯罪者逮捕についてや世界で人身売買による被害者数が増加している現状が字幕で示され、物語はおしまい。


 児童人身売買という題材は鑑賞する側に強い負荷を与える内容ですが、被害者の父親が語る「娘のベッドが空っぽになった」という言葉をきっかけに、主人公が国家機関を離れてでも行動する姿勢は強く印象に残りました。正義感というよりも、具体的な被害を目の前にした人間の選択として描かれていた点が特徴的です。

 エンターテインメント作品としては、後半に武装勢力の拠点へ潜入する展開や銃撃を伴う場面が用意されていますが、アクション映画としての派手さは控えめで、あくまで救出行動そのものに焦点が当てられています。そのため、爽快感を求めると物足りなさを感じる一方で、実話ベースの重さを優先した構成であることは理解できます。

 社会派ドラマとして見ると、問題提起の強度が高く、観客に考える余地を残す作りになっていました。娯楽性と現実の残酷さの間で揺れる構成は好みが分かれる部分ですが、少なくとも軽い気持ちで消費される作品ではなく、観終わった後も内容が頭に残り続ける一本だと感じました。

☆☆☆

鑑賞日:2026/02/07 WOWOW

監督アレハンドロ・モンテベルデ 
共同脚本ロッド・バール 
アレハンドロ・モンテベルデ 
出演ジム・カヴィーゼル 
ミラ・ノルヴィノ 
ビル・キャンプ 
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