映画【その夜の侍】感想(ネタバレ)

●こんなお話

　奥さんをひき逃げで殺された男が加害者の男に復讐しようとする話。

●感想

　奥さんを殺された堺雅人さん演じる男は工場で働いていて、分厚いメガネをかけていつも汗だくで髪の毛もボサボサで、めっちゃ気持ち悪い。一方、加害者である山田孝之さん演じる男はめちゃくちゃバイオレンスな男でひたすら外へエネルギーをぶちまける男。絶対友だちになりたくないような人物。
　見ていて不思議なのは、どちらにも仲間がいて人が常にいるということ。しかも全く違う主人公同士で住む世界も考えも向いてるほうが違うのに似ているという。
　堺さんはデリヘル嬢を呼ぶけど抱くことができない。山田さんは事故現場で警備員のバイトをしていた女性を無理やり抱いてしまう。やることは正反対。でも堺さんは義兄である新井浩文さんの紹介で女性と知り合うけど、その女性はひたすら優しい。山田さんにフルボッコにされた田口トモロヲさんも何故か山田さんについていく。無理やり手籠めにされた谷村美月さんだって、怖れながらも一緒にそのままいちゃうし。

　そしていよいよ敵討ちを決行する日。対決する2人。お互いがお互いをひきつける鏡のような存在であり鏡である。鏡を通して自分の姿をしり失望するという。
　だから、ラストでの自分を否定するようなものはちょこっと希望の感じるエンディングでよかったです。

☆☆☆

鑑賞日:2013/06/14　DVD