映画【トガニ 幼き瞳の告発】感想(ネタバレ)

Silenced (2011)
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●こんなお話

 学校で起きた虐待事件を解明しようとする人の話。

●感想

 子ども、しかも耳が聞こえない子どもへの性的虐待を描いた作品で、子どもたちが虐待されるシーンがこれでもかこれでもかと前半から中盤に描かれ見るのが辛いです。被害者である子役の演技、加害者の先生たちの演技が素晴らしく、本当に加害者を憎んでしまうものでした。

 事件の加害者だけでなく、韓国の社会の問題をしっかりと描いているのもよかったです。賄賂が当然であり、事件の相談を役所に行くとたらいまわしにされ、警察も加害者に買収されていたり。自分の職を失わないようにするために偽証したりと。実際は映画よりもっと酷いことがあったらしいのが更に凄いです。本当に人間の嫌な部分を見せつけられます。

 中盤からは上質な法廷ものになっていて、どうやって裁判に勝つのかというのをハラハラさせる障害を設定していて面白く見ることができました。

 この映画の主人公は新任の先生ですが、最後まで見ると主人公や主人公と一緒に戦う人権センターのヒロインも加害者のような最低人間に誰にでもなりうるのだということがわかります。主人公は最初、体罰を受けている子どもを助けることができず、女子トイレで叫び声を聞いていたのに助けることができなかった。ヒロインは、主人公と最初の出会いが車の接触事故ですが、自分の間違いを認めず謝らない。そういった対応を見ているとわかります。
 こういう最低な事件が起きるのも、そういった人たちのひずみみたいなものが生んでしまうのかなと思いました。

 ただ、韓国映画特融の全力で泣くお芝居をしてそこにどーんと仰々しい音楽が流れてスローみたいなのがちょいだるいです。後半にある事件が起きますが、主人公は何故か偶然、目的である少年を見つけたりと。ちょっと乗り切れない部分もありました。
 子どもたちの傷は癒えることはないですが、映画の最初と最後では自分を信じ他人を信じるということを強く生きていくと信じたい映画でした。

☆☆☆☆

鑑賞日:2013/03/08 DVD 2015/11/11 Hulu

監督ファン・ドンヒョク 
脚本ファン・ドンヒョク 
原作コン・ジヨン
出演コン・ユ 
チョン・ユミ 
キム・ヒョンス 
チョン・インソ 
ペク・スンファン 

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