映画【ショウタイムセブン】感想(ネタバレ):衝撃の発電所爆破から始まる暴走劇!メディアを舞台にした社会派サスペンス

Showtime 7
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●こんなお話

 生放送中に爆弾テロが起こって犯人から電話かかってきて交渉するテレビ番組の話。

●感想

 ラジオパーソナリティの主人公が、いつも通り番組を進行していたところ、突如「発電所を爆破する」とのリスナーからの電話が入る。最初はいたずらだと思い切るものの、実際に発電所が爆破されてしまい、相手が本気だと判明。主人公は事件の交渉を、同じ局のニュース番組で生中継するという大胆な手段に打って出る。

 このニュース番組は、かつて主人公がメインキャスターを務めていた番組。降板以来の復帰のチャンスということで、主人公はテンション高く交渉役を引き受けるが、犯人側からギャラの要求があり思わぬピンチに。犯人は、自分の父親が発電所建設時の事故に巻き込まれたこと、そしてそれを政府と電力会社が隠ぺいした過去を告白。スタジオに総理大臣と電力会社の社長を呼び、公開の場で謝罪させようとする。

 その場に現れたのが、犯人の恩師。恩師は自首を促すが、犯人は激しく逆上。マイクに仕込まれていた爆弾が爆発し、恩師が吹き飛ばされる。さらに、主人公の過去の賄賂疑惑を追及しようとする若手キャスターも現れ、スタジオの空気はさらに混乱。

 警察が突入しようとする瞬間を中継するが、そこに犯人の姿はない。スタジオの爆弾も、結局は爆発せず。死んだと思われていた恩師がまさかの生還で、犯人もスタジオに歩いて現れる。

 主人公はこれまで犯人の母親などに取材していたが、実は政府や電力会社の隠ぺい工作の場に同席していたことが自身で暴露する。そしてラストは、主人公自身が「自分は生きるべきか、死ぬべきか」という問いをリスナーにアンケートで問いかけておしまい。

 序盤、ラジオ局でテロ犯からの電話を受けて「交渉するチャンスだ」と主人公が突っ走る展開は勢いがあって非常に面白かったです。だがそこから先の展開は、緊迫感を描き切れておらず、逆に驚くほど淡々としていました。

 恩師の登場と爆弾のくだりも火花が少し上がるだけで迫力なく盛り上がりきらず、長台詞を棒立ちで交わす場面や、文句ばかり言う女性アナウンサー、一瞬で作られて表示されるアンケート、突然現れる真犯人など、シーンの唐突さが気になりました。

 事件の最中にも関わらず、急に主人公の賄賂疑惑に焦点が当たるなど、今その話題なのか?と混乱するような構成も多かったです。緊張感やストーリーの焦点が定まらず、見る側としてはぼんやりする時間も少なくなかったです。

 とはいえ、エンタメ映画としてのアイデアはユニークで、勢いのある前半を中心に一定の満足感はあった作品だったと思います。

☆☆

鑑賞日:2025/06/08 Amazonプライム・ビデオ

監督渡辺一貴 
脚本渡辺一貴 
原作映画監督・脚本キム・ビョンウ
出演阿部寛 
竜星涼 
生見愛瑠 
井川遥 
吉田鋼太郎 
前原瑞樹 
平原テツ 
内山昂輝 
安藤玉恵 
平田満 
錦戸亮 
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