映画【セブン】感想(ネタバレ):雨の街に響く連続殺人と七つの大罪の謎

Se7en
スポンサーリンク

●こんなお話

 連続殺人を捜査する刑事さんたちの話。

詳細ネタバレあらすじ

 雨が降り続く大都市で、退職まで1週間となった刑事ウィリアム・サマセットは、転任してきた若手刑事デビッド・ミルズと組むことになる。ミルズは妻トレイシーとともにこの街へ引っ越してきたばかりで、サマセットは今回の事件を最後に現場を離れる予定だった。

 サマセットとミルズは、肥満した男性が自宅の台所で死亡している事件を担当する。男性は椅子に拘束され、長時間にわたって大量の食事を食べさせられていた。遺体の胃から大量の食物が確認され、現場には「暴食」を示す文字が残されていた。

 翌日、二人は別の殺人現場へ向かう。被害者は裕福な弁護士エリ・グールドで、犯人によって自分の身体から肉を切り取るよう強要されていた。現場には「強欲」を示す手掛かりが残されていた。二つの事件を調べたサマセットは、キリスト教における七つの大罪と事件が関連していると考える。

 サマセットは七つの大罪について調べ、暴食と強欲に続く「怠惰」「肉欲」「高慢」「嫉妬」「憤怒」が残されていることを確認する。

 その後、弁護士の事件から発見された指紋を調べた結果、別の人物につながる手掛かりが見つかる。サマセットとミルズは、その人物が住んでいるアパートへ向かう。

 アパートに入った二人は、ベッドに拘束された男を発見する。男は長期間にわたって身体を動かせない状態にされ、極端に衰弱していた。男は生きていたものの、ほとんど反応を示さない状態だった。室内に残された資料から、この状態が1年間続いていたことが判明する。この被害者が七つの大罪の「怠惰」に対応する人物だった。

 捜査を続けるサマセットは、犯人が七つの大罪を計画的に利用していると判断する。さらにサマセットは、七つの大罪に関する本を図書館で大量に借りている人物を調べるため、FBIの協力を得て図書館の貸し出し記録を確認する。その記録から「ジョン・ドゥ」という名前にたどり着く。

 サマセットとミルズはジョン・ドゥのアパートを突き止める。二人が部屋へやってきたところへドゥ本人が戻ってくる。ミルズはドゥを追って建物の外へ出る。ドゥは逃走し、ミルズは追跡する途中で負傷する。ドゥはミルズに銃を向けるが、その場ではミルズを殺さずに逃走する。

 ドゥの部屋には大量のノートが残されていた。ノートにはドゥが長期間にわたって書き続けた文章が記録され、事件の被害者やサマセット、ミルズを撮影した写真も発見される。ドゥが二人の刑事を以前から監視していたことが判明する。

 次に発生するのが「肉欲」の事件。娼婦が殺害され、現場には特殊な器具が用意されていた。ドゥは別の男を銃で脅し、その器具を使って娼婦を殺害させていた。捜査によって、男が犯行を強制されていたことが判明する。

 続いて「高慢」に対応する事件が発生する。被害者はモデルの女性で、ドゥによって顔を大きく傷つけられていた。ドゥは女性に、顔を傷つけられた状態で生きるか、薬を飲んで死ぬかを選ばせる。女性は薬を飲み、自ら命を絶つ。

 これで「暴食」「強欲」「怠惰」「肉欲」「高慢」に対応する五つの事件が発生する。残るのは「嫉妬」と「憤怒」の二つとなる。

 サマセットとミルズが警察署へ戻っていると、ジョン・ドゥが自ら姿を現す。ドゥは全身を血で汚した状態で警察に出頭し、自分がこれまでの事件を起こしたことを認める。

 ドゥは、残る二つの事件についても説明すると告げる。ただし、二人を自分が指定する場所まで連れていくことを条件にする。ドゥの弁護士は、条件が受け入れられなければ裁判で精神異常を主張する可能性を示す。

 サマセットとミルズはドゥを連れて警察車両で指定された場所へ向かう。移動中、ドゥは自分の犯行について説明し、七つの大罪を社会に示すために事件を起こしたと語る。自分の行為を正当化し、神から使命を与えられたかのように語りながら、二人の刑事を挑発する。

 三人は市街地から離れた荒野に到着する。しばらくすると配送車が現れる。運転手は、指定された場所と時間にミルズ宛ての荷物を届けるよう指示されていたと説明する。

 サマセットが箱を開けると、中身を確認したサマセットはミルズに近づかないよう指示する。ドゥは自分が「嫉妬」に該当すると説明する。ミルズが妻トレイシーと生活していることを羨んでいたと話し、トレイシーを殺害したことを明かす。

 さらにドゥは、トレイシーが妊娠していたことをミルズに伝える。ミルズはトレイシーの妊娠を知らされていなかった。ドゥはその事実を利用してミルズを刺激し、自分を殺すよう仕向ける。

 ドゥは、自分が「嫉妬」に当たり、ミルズが自分を殺せば「憤怒」に当たると説明する。サマセットはミルズに銃を下ろすよう求めるが、ミルズはドゥに銃を向ける。

 ミルズはドゥを射殺する。これによってドゥ自身が「嫉妬」、ミルズが「憤怒」に対応し、七つの大罪を完成させるというドゥの計画が成立する。

 警察が現場へ到着し、ミルズは連行される。サマセットは警察署長から今後の予定を尋ねられ、現場の近くにいると答える。退職する予定だったサマセットが、その後も警察の仕事に関わる意思を示す形に。

 最後にサマセットのナレーションが入り、アーネスト・ヘミングウェイの言葉を引用して、世界は戦う価値がある場所だという言葉について、サマセットはその後半部分に同意すると語っておしまい。

●感想

 定年間近のベテラン刑事サマセットと、配属されたばかりの若手刑事ミルズ。雨の降り続く街で二人が最初に向かったのは、異様な状態で発見された肥満男性の殺人現場。大量の食事を食べさせられた遺体と、現場に残された「暴食」の文字から始まり、次の弁護士殺害では「強欲」が示されます。最初から犯人が七つの大罪を意識していることが分かるため、次はどの罪が事件として登場するのかを追いながら見る構成が面白かったです。

 サマセットが図書館の記録から犯人に近づいていく捜査も印象に残りました。派手なアクションで犯人を追い詰めるというより、現場に残された情報を一つずつつなぎ合わせていく捜査なので、ベテラン刑事らしい落ち着いた進め方がよく出ています。

 一方のミルズは、若さと行動力がある反面、ジョン・ドゥの挑発にも反応してしまいます。この二人の捜査方法や考え方の違いが、最後の展開にもつながっていくところがよくできています。

 特に印象に残ったのは、五つの事件が終わったところでジョン・ドゥ本人が警察署へ出頭する展開でした。普通なら犯人を逮捕して事件が解決へ向かう場面ですが、ここからドゥ自身が二人を目的地へ案内する形になります。犯人を追う側だったサマセットとミルズが、最後にはドゥに連れられていく構図になるため、立場が逆転していく感覚がありました。

 また、ドゥが自分の犯行を七つの大罪に当てはめ、最後の二つをミルズ自身に完成させようとしていた仕掛けも強烈です。特にトレイシーの妊娠をミルズが知らないことまで利用していたため、単純に犯人を逮捕するだけでは終わらない構造になっています。

 作品全体を通して、派手な捜査やアクションよりも、事件現場に残されたもの、犯人が用意した仕掛け、二人の刑事の会話によって少しずつ事件の全体像が見えてくる作りが印象的でした。

 映像についても、雨が降り続く街、暗い室内、狭い捜査現場などが続き、最後に荒野へ出たときの景色との違いが強く残ります。七つの大罪を題材にした連続殺人という設定だけでなく、サマセットとミルズという異なるタイプの刑事を組み合わせたことで、最後の事件まで緊張感が続く作品になっていると思います。

 一方で、捜査そのものについては、緻密な推理によって犯人を追い詰めていくというより、ジョン・ドゥが先回りして事件を用意し、刑事たちはその後を追う展開が中心です。そのため、刑事ドラマとしての捜査過程を期待すると少し違う印象もあります。

 それでも、五つの事件を追ったあとに、残った「嫉妬」と「憤怒」が誰を指しているのかが明らかになり、そこまでの出来事が最後の場面へつながっていく構成は見事でした。ラストまで見終わると、それまでの事件が単独の殺人ではなく、最初から一つの計画として組み立てられていたことが分かっていく面白さがある1作でした。

☆☆☆☆

鑑賞日:2011/05/22 Blu-ray 2023/01/28 Amazonプライム・ビデオ 2026/09/15 U-NEXT

監督デイヴィッド・フィンチャー 
脚本アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー
出演ブラッド・ピット 
モーガン・フリーマン 
グウィネス・パルトロウ 
ジョン・C・マッギンレイ 
リチャード・ラウンドトリー 
R・リー・アーメイ 
マーク・ブーン・ジュニア 
ケヴィン・スペイシー 
タイトルとURLをコピーしました