ドラマ【ピースメイカー シーズン2】感想(ネタバレ):並行世界で揺らぐ信念、ピースメイカーが見た理想と現実

Peacemaker Season2
スポンサーリンク

●こんなお話

 平和のために人を殺す矛盾したヒーローが、もう一人の自分が生きる“理想の世界”を見て、過去と罪に向き合う物語

●感想

 殺した父親の家に住んでいる男、クリストファー・スミス――通称ピースメイカー。彼は「平和のためなら人を殺すこともいとわない」信条のまま、相変わらず周囲に馴染めずにいる。心のどこかでは“本当のヒーローになりたい”と願っているのに、社会からは浮いてしまう。

 そんなある日、家の中に並行世界に繋がっていることを知る。そこでは、自分が理想とする人生を生きる“もう一人のピースメイカー”が存在していた。父も兄も健在で、世間からは称賛され、真のヒーローとして認められている。「もしあのとき、別の道を選んでいたら?」――彼は、自分の過去と向き合わざるを得なくなる。並行世界の自分と戦って、死んだ兄や父親もいい人間に感じてそっちの世界の生きていこうとするけどもナチスが勝った世界だったことに気づいて逃げたり。今まで味方だった組織が襲撃してきて迎撃したり捕まったり。組織がいろんな並行世界を探索してヒーローたちの刑務所として生かそうとする計画が明らかになっていく。

 その並行世界へ行ける装置を巡って、リック・フラッグ・シニアが息子を殺したピースメイカーへの復讐心を誓ってピースメイカーの存在を脅かしていく。味方のチーム“イレブン・ストリート・キッズ”や、忠実なワシの相棒イーグリーも活躍する回などもあったり。

 自分が関係する人がみんな死んでいくと落ち込む主人公だけど仲間と一緒に仕事に復帰してみんなで仲良くという矢先にフラッグ将軍に捕まってしまっておしまい。

 本作は、前シーズンから続くピースメイカーの孤独と苦悩を軸に、並行世界という壮大なスケールで描かれた物語でした。
 軽口を叩きながら危機を切り抜けていくテンポの良さが心地よく、ブラックユーモアとバイオレンスが混じり合う独特の空気感が魅力的です。特にイーグリーの存在感が抜群で、時に可愛く、時に頼もしい相棒として作品を引き締めていました。アクション自体は控えめながらも、要所での暴力表現には迫力があり、見応えのあるシーンがしっかり用意されています。

 一方で、並行世界を扱った物語としてはやや既視感があり、設定面での驚きは少なめに感じました。主人公と父親との確執なども前シーズンで描かれたテーマと重なり、やや繰り返しの印象があります。物語のラストも唐突に感じる部分があり、「ここで終わるのか」と思わされる構成でした。

 それでも、ピースメイカーというキャラクターが持つ矛盾――平和を掲げながら人を殺す男の悲しみと滑稽さ――が深く描かれていて、キャラクターの魅力は一貫して強く感じられます。彼の行動は時に愚かで、時に胸を打つ。そんな振れ幅こそが、このシリーズの持つ面白さなのだと思います。

 全体的に、アクションとユーモア、そして人間ドラマのバランスが取れたエピソードでした。ピースメイカーの旅はまだ続きそうで、その先にどんな“平和”が待っているのか、期待を残す終わり方でもありました。

☆☆☆

鑑賞日:2025/10/27 U-NEXT

監督ジェームズ・ガン
アリシア・ジョーンズ
グレッグ・モットーラ
脚本ジェームズ・ガン
出演ジョン・シナ
ダニエル・ブルックス
ジェニファー・ホランド
フレディ・ストローマ
スティーヴ・エイジー
ロバート・パトリック
フランク・グリロ
ソル・ロドリゲス
ティム・メドウス
ニュット・リー
ネイサン・フィリオン
イザベラ・メルセード
ショーン・ガン
タイトルとURLをコピーしました