映画【丹下左膳餘話 百萬両の壺】感想(ネタバレ)

Sazen Tange and the Pot Worth a Million Ryo
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●こんなお話

 百万両の場所が描かれた壺を巡って大騒ぎの話。

●感想

 百万両のありかが書かれた壺があるぞというナレーションが始まって柳生の里の藩主がそれがあれば日本一の金持ちになれるぞと言うけれど、その壺は剣術道場の主の弟に譲ってしまったから取り返さなければとなる。

 剣術道場の弟は奥さんと今の立場を嘆いていて、兄の使いで壺を返してほしいと話が来て意地になって返却せず。そして使いを門弟たちに脅迫させたら百万両の価値があることを知って奥さんに話したら奥さんはもう屑屋に売ってしまったので自ら江戸を探すことに。

 長屋に住む親子の父親が遊び場の矢場にやってきて大店の亭主と身分を偽って遊んでいるとチンピラと揉めて、そこで用心棒をしている主人公が仲裁に入って帰り道も護衛するけど別れた瞬間にチンピラに斬られて殺されてしまう。主人公と矢場の女主人は遺言で息子さんを探して見つけるけど、なかなか父親が死んだことを言い出せず、何とか言い出して思わず矢場に住まわせることに。少年が金魚を飼っていて屑屋から買ってきた壺を金魚鉢にする。

 剣術道場の主が矢場の女の子といい感じになって壺を探す名目で入りびたるようになって主人公に百万両の壺を探していることとか話すけどだれも少年が持っていることに気付かない。金魚が死んじゃったのでみんなで金魚釣りに出かけたら、剣術道場の奥さんが旦那さんが別の女性といちゃいちゃしているのを望遠鏡で見つけてしまって、旦那さんを監禁してしまう。少年が持っている壺が目的の壺だったと気づいたけど外に出してもらえない。

 少年が友達とめんこで遊んでいたら主人公からもらった小判で遊んでいたら別の友達が大判を持ってきて遊んで買ってそれをもらう。女主人がびっくりして大判を返すように言われて返しに行ったら盗まれてしまう。そのため、大判を返せと元の主に責められて、それをきっかけに主人公と女主人が喧嘩するので餅を焼いている間に家出する少年。心配で探し回って見つける主人公たち。「心配するな」と賭場で一発逆転を狙うけどやっぱりすってしまう。帰り道にチンピラに襲われて撃退する主人公。

 万策尽きた主人公は道場破りをしてお金をゆすろうとするけど、道場破りの相手が知り合いの弟のところで2人で話し合ってお金をせしめる。少年は壺を買い取ってくれる話を聞いて売りに行こうとして主人公がそれを止める。百万両の壺だとみんな知るけれど、発見されたら剣術道場の主は矢場にこれなくなるということでそのままにしておこうとして終わり。

 「絶対に行かないぞ」「絶対にやらないぞ」と言いながら次のカットでその逆の行動をしているという定番だとは思いますが、そういうギャグが楽しくニコニコできる1本でした。やはりクライマックスの殺陣とかがまるごとないのとかが惜しいです。

 飲んだくれでお金に常に困っているおじさんが子どもには優しく一生懸命という愛すべき主人公の映画で面白かったです。

☆☆☆☆

鑑賞日:2022/11/12 DVD

監督山中貞雄 
構成山中貞雄 
脚色三村伸太郎 
原作林不忘 
出演大河内傳次郎 
喜代三 
宗春太郎 
沢村国太郎 
花井蘭子 
山本礼三郎 
鬼頭善一郎 
阪東勝太郎 
磯川勝彦 
清川荘司 
高勢實乗 
鳥羽陽之助 
若松文男 
今成平九郎 
高松文麿 
藤川三之祐 
伊村理江子 
達美心子 
深水藤子 
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