映画【プライベート・ライアン】感想(ネタバレ):戦場のリアルと仲間の絆が胸を打つ戦争映画の傑作

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●こんなお話

 兄弟全員戦死したので唯一生きているライアン二等兵を救出する話。

●感想

 やっぱり冒頭のノルマンディー上陸作戦の映像は圧巻で、息つく間もない戦場の凄まじさに一気に引き込まれます。容赦のない銃撃、爆風、仲間が次々に倒れていく描写は、戦争映画の中でもトップレベルの迫力だと思います。まさに映画史に残る戦闘シーン。

 物語は、兄弟を全員戦死で失った家族を思って、最後に残ったライアン二等兵を救出するという任務が下され、主人公ミラー大尉率いる小隊が、その1人のために多くの犠牲を払ってまで向かうことになる。「本当にその価値があるのか?」という疑問を抱えつつも、彼らはパラシュート降下地点を目指して進んでいく。

 3時間近い長さですが、シーン数自体は限られていて、そのぶん1つ1つのシーンが濃密で重みがあります。冒頭のノルマンディー、そして終盤の橋の攻防戦など、戦闘シーンがしっかり作られていて見ごたえ抜群。ライアンを探す過程で、断続的に戦闘や人間ドラマが続いていくテンポの良さも飽きさせないです。

 登場人物たちもとにかく魅力的。冷静沈着で謎の多いミラー大尉、皮肉屋だけど忠実な軍曹、反抗的なバーンズ、情熱的なユダヤ人兵メリッシュ、人命を守ろうとする軍医ウェイド、気の優しいカパーゾ、信仰心をもって戦う狙撃手ジャクソン、戦場に馴染めない通訳アパム…。彼ら一人ひとりにドラマがあって、それが戦場の現実をさらに深く感じさせてくれます。

 映画の構成として、最初におじいさんが墓地に訪れて思い出す形で始まるので、この人がライアンなのかミラーなのかと混乱しかけたけれど、最終的に回想の視点がはっきりしてくる。とはいえ、「誰の目線か」と考える余地があるのも、この作品の面白さだと思います。

 戦争の恐ろしさ、理不尽さ、人間の弱さと強さが詰まった映画で、何度観てもその重さに圧倒される一本でした。

☆☆☆☆☆

鑑賞日:2010/09/18 Blu-ray 2021/05/07 NETFLIX

監督スティーヴン・スピルバーグ 
脚本ロバート・ロダット 
出演トム・ハンクス 
トム・サイズモア 
エドワード・バーンズ 
バリー・ペッパー 
アダム・ゴールドバーグ 
ヴィン・ディーゼル 
ジョヴァンニ・リビシ 
ジェレミー・デイヴィス 
マット・デイモン 
テッド・ダンソン 
ポール・ジアマッティ 
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