映画【侍】感想(ネタバレ)

samurai-assassin
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●こんなお話

 ひとかどの侍になりたいと示現一流の使い手である浪人が井伊直弼暗殺をしようとする水戸浪士たちのグループの噂を嗅ぎつけて参加するけど、主人公の素性を怪しむ幹部たちがいて彼らが身元調査していく話。

●感想

 謎の主人公を書記、記録係のナレーションで語られていきだんだんと主人公がどのようにグループに参加したのかがわかってくる。徐々に徐々に判明してくる事実を細かいシーンのつなぎで見せていくのが面白いです。そして剣豪である主人公と対照的で親友となる学者肌の浪人との関係なども説明されていく。
 ここら辺までは外野の人物目線で次から次へ語られていく面白さで見て行くことができましたが、中盤から主人公が金の無心をしに知人を訪ねたりして、女性が出てきたりしてその人たち目線で出生の秘密が明らかにされるくだりは、あまり井伊直弼暗殺とは関係なくなってしまって、ちょっと退屈に感じてしまいました。しかも結構な時間が割かれていたのが残念でした。

 そしてクライマックスは桜田門外の変。なかなか井伊直弼の籠までたどり着けないイライラ感ハラハラ感がとんでもないことになっていて、わらわらと掴みかかってくる護衛側との攻防。雪どんだけ降ってんだというくらいの雪の量でとんでもないことになっていて凄かったです。
 侍になりたいという主人公が井伊直弼を暗殺しようとすることによって侍の時代を終わらせてしまう皮肉。

 そして首領の伊藤雄之助さんの不気味さが最高の映画でした。

☆☆☆☆

鑑賞日:2011/02/14 DVD 2014/02/20 DVD

監督岡本喜八 
脚色橋本忍 
原作群司次郎正 
出演三船敏郎 
小林桂樹 
伊藤雄之助 
松本幸四郎 
新珠三千代 
田村奈己 
八千草薫 
杉村春子 
東野英治郎 
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