映画【座頭市 牢破り】感想(ネタバレ)

●こんなお話

　自分が利用されたりしてリベンジする座頭市の話。

●感想

　冒頭、縁日かなんかで弓矢を扱う座頭市。案の定、的の真ん中にバチーン!　命中させる座頭市。そっから伊福部昭ちっくな音楽でクレジット。期待の高まる出だしでよかったです。

　今回の座頭市はお世話になるヤクザが悪いヤクザ、その悪いヤクザと対立する三國連太郎さん演じる良いヤクザと出会って悪いヤクザを叩き斬る座頭市。ところがその良いヤクザだったはずの三國さんが悪いヤクザとなってしまう。
　また座頭市が斬ったチンピラはある女性の弟と恋人。恋人は命は助かるけど腕を斬られます。腕がモゲる描写は凄いです。その女性が転落していく人生も描いていきます。また非暴力を説いて百姓たちに田植えを教える浪人なんかも出てきて。

　座頭市の面白さである活劇としての面白さは控えめに作られていてさすがは社会派監督の山本薩夫監督の作風だなと思える内容でした。
　ただやっぱり堕ちていくカップルの人生とか暗くて楽しくはないですし、なんといっても三國連太郎さんは一体いつの間に心が変化したんだと謎の人物でした。悪を倒してもその後にまた悪が居座るというメッセージは面白いと思いますが、やっぱりいきなりすぎます。三國さんがやたらと咳をするお芝居の意味もわからなかったです。

　雨の中、鉄砲で狙われる座頭市だったり。首がぶっ飛ぶ三國さんだったり、印象的なシーンはあったりしますが。悪い関八州の西村晃さんがロウソクで町娘を責めるSMプレイしか印象に残らない映画でもありました。

☆☆☆

鑑賞日:2014/02/22　DVD