●こんなお話
お父さんが帝国軍の新兵器を開発に携わってるらしいってんで娘さんがその兵器の設計図を盗み出そうとする話。
●感想
隠れて暮らしていた家族のもとに帝国軍がやってきて、父親は娘を隠そうとする。でも母親が撃たれてしまって、娘は隠れていたところを誰かに助けられる。
時が流れて、今度は帝国に捕まっている主人公の元に同盟軍がやってくる。実は父親が帝国の科学者として新兵器の開発に関わってるらしい。そこで、正規の同盟軍ではなく、ちょっと独自に動いてる反乱分子みたいなグループに会いに行けと言われて、旅がスタート。
途中で盲目のお坊さんや、帝国軍の元パイロットと出会い、さらに反乱軍のリーダーに会って、父親が残したメッセージを受け取る。そこには帝国の新兵器、デス・スターに重大な弱点があると記されていた。でもその直後にデス・スターが星を破壊。ギリギリのところで主人公たちは脱出。
その後、同盟軍の会議でデス・スターの弱点の話を訴えるが誰も信じてくれない。仕方なく、主人公たちだけで設計図を奪取するために敵地へ突入。陽動部隊と潜入部隊に分かれてのクライマックスが始まる。最後には同盟軍の援軍もやってきて、仲間が一人、また一人と倒れていく中、ギリギリのタイミングで設計図のデータを送信成功。「届いたかな……」で物語は終わる。
戦闘シーンの迫力はさすがハリウッドのメジャー作品。終盤はほとんど戦争映画のような展開で、見応えたっぷりでした。
でも、ストーリーの面白さかキャラクターの魅力か、どちらかがちゃんと成立していないと感情移入は難しかったです。この映画は、どっちも中途半端だったと感じました。冒頭から知らない地名のテロップが連発して、知らないキャラが次々登場するので、スター・ウォーズに詳しくない人は「誰が何してるの?」状態に陥ってしまいます。
ドニー・イエンとチアン・ウェンのコンビも、ドニーがお坊さんなのはわかりますが、でも、なぜ彼らが一緒に行動してるのか、どんな絆があるのかが描かれてないから感情が乗らなかったです。こういうチームものは、仲間が集まっていく過程が楽しいと感じますが、気がついたらアジア人バディがいつの間にかメンバー入りしてて、「あれ? いつ合流した?」って感じでした。
その結果、クライマックスでみんなが死んでいっても何も感じることができず。そもそも、同盟軍が「降伏する」って判断して、でも主人公だけが立ち上がって、それに「よく知らない兵士たち」が勝手についてくる流れも不自然に感じます。なぜ彼らがそこまで主人公に共感したのか、説明不足すぎて感情の繋がりがなかったです。
主人公の父を暗殺しろという命令を受けたデエゴ・ルナ演じるキャラも、なぜ悩むのかが唐突で、ストーリーの軸がブレまくってたと感じました。
そして、クライマックスの戦闘も、気づいたら反乱軍が集結して帝国とガチバトルを始めていて、帝国側も科学者のいる重要な施設を簡単に空爆されてしまったり、主人公たちもあっさり潜入できたりと、警備がガバガバすぎると思いながら見てました。スピンオフとはいえ、これじゃ帝国崩壊するのも当然に思えてくる警備でした。
それと、「ローグ・ワン」というタイトルも、仲間の一人がとっさに思いついたネーミングだったのがズッコケてしまいました。あの内容なら「スター・ダスト」とかの方が合ってたんじゃないかと思って観てしまったり。
でも、ラストのダース・ベイダーが暗闇の中でライトセーバーを起動するシーンと、ドニー・イエンが一人で突っ込んで戦うシーンは間違いなく盛り上がり。そこだけはめちゃくちゃカッコよかったです。
☆☆☆
鑑賞日: 2017/01/12 TOHOシネマズ日本橋 2017/06/03 Blu-ray 2023/11/24 Disney+
監督 | ギャレス・エドワーズ |
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脚本 | クリス・ワイツ |
トニー・ギルロイ | |
原案 | ジョン・ノール |
ゲイリー・ウィッタ |
出演 | フェリシティ・ジョーンズ |
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ディエゴ・ルナ | |
フォレスト・ウィテカー | |
マッツ・ミケルセン | |
ドニー・イェン | |
ベン・メンデルソーン | |
チアン・ウェン |
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