映画【フェイス/オフ】感想(ネタバレ):顔交換と銃撃戦のアクション

face-off
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●こんなお話

 極悪人を追いかけて、やっとこさ捕まえたFBI捜査官だったけど。まだ爆弾を隠し持っているってんで、爆弾のありかを知ってる人物から聞き出すためにフェイスオフする話。

●感想

 マフィアやテロリストを追うFBI捜査官ショーン・アーチャーは、宿敵であるテロリスト、キャスター・トロイの狙撃によって幼い息子マイケルを失って以来、6年間にわたり彼を執念深く追い続けていた。ある日、FBIはキャスターの弟ポラックス・トロイの居場所を突き止め、ショーンは捜査チームを率いてロサンゼルスの飛行場へ向かう。逃走を図るキャスターは小型ジェット機で離陸しようとするが、ショーンは機体へ飛び移って格闘戦を繰り広げ、滑走路で激しい銃撃戦となる。やがて機体は墜落し、キャスターは重傷を負って昏睡状態となり、ポラックスは逮捕される。しかしキャスターは事件前にロサンゼルス市内へ強力な時限爆弾を仕掛けており、その設置場所を知るのはポラックスだけだった。

 ポラックスは兄以外には決して口を開こうとせず、爆弾を解除できないまま時間だけが過ぎていく。そこでFBIは極秘の潜入作戦を立案する。特殊な顔面移植技術によってショーンの顔をキャスターの顔へ移植し、本人になりすまして刑務所へ潜入させる計画だった。ショーンは家族にも真実を告げられないまま手術を受け、外見だけでなく声や指紋までキャスターと同じ姿へ変えられる。そして重犯罪者専用刑務所へ収監されると、同房となったポラックスから爆弾がロサンゼルス・コンベンションセンターへ設置されていることを聞き出すことに成功する。

 しかし、昏睡状態だったキャスターが予定より早く意識を取り戻してしまう。事情を知ったキャスターは医師マルコム・ウォルシュを脅迫し、自分へショーンの顔を移植させると、作戦を知る医師や特殊班の関係者を次々と殺害して証拠をすべて消し去る。こうして本物のショーンはキャスターの顔のまま刑務所へ閉じ込められ、キャスターはショーン・アーチャーとしてFBIへ戻ることになる。キャスターは爆弾を解除した英雄として称賛され、ショーンの地位や権限だけでなく、妻イヴや娘ジェイミーとの家庭までも手に入れる。一方のショーンは、面会に現れたキャスター本人から手術の真相を聞かされ、元の顔へ戻る方法が失われたことを知って絶望する。

 ショーンは刑務所内で発生した暴動を利用して脱獄に成功する。追っ手を振り切った彼はキャスターの犯罪組織へ向かい、部下たちへ自分こそ本物のキャスターだと思い込ませることに成功する。そこでキャスターの愛人サーシャや幼い息子アダムと出会い、最初は利用するつもりだったものの、父親として接するうちにアダムへ亡き息子の面影を重ねるようになる。また、キャスターとは正反対の誠実な振る舞いを見せたことで、サーシャもショーンへ信頼を寄せるようになっていく。

 一方、ショーンになりすましたキャスターはFBI幹部としての立場を利用し、これまで敵対していた犯罪組織への強硬作戦を次々と実行する。その大胆すぎる行動に同僚たちは違和感を抱き始め、イヴも夫の性格が急変したことへ疑問を抱く。ショーンは危険を承知で自宅へ忍び込み、イヴだけに真実を打ち明ける。最初は到底信じられなかったイヴだったが、血液型の違いや二人しか知らない思い出を確認したことで、目の前にいるキャスターの顔をした男こそ本当の夫であると理解し、ショーンへ協力することを決意する。

 その後、ショーンはキャスターの部下たちとともにFBIとの激しい銃撃戦を繰り広げ、その混乱の中でポラックスを追い詰めて殺害する。最愛の弟を失ったキャスターは怒りに燃え、作戦の真相を知るFBI副長官ラザロまで殺害し、自らがさらに大きな権力を手に入れようと動き始める。

 ラザロの葬儀が行われる教会では、ジョン・ウー監督らしい壮絶な銃撃戦が始まる。白いハトが舞う教会でショーンとキャスターは激しく撃ち合い、サーシャはイヴをかばって命を落とす。息を引き取る直前、サーシャは息子アダムだけは犯罪者にしないでほしいとショーンへ頼み、その願いを託す。キャスターはジェイミーを人質に取るが、以前ふざけ半分で教えていたナイフの護身術を逆に利用されて逃げられてしまう。混乱の中でショーンは首へ埋め込まれていた音声装置を外され、本来の声を取り戻す。

 キャスターは高速ボートで逃走し、ショーンも別のボートで追跡する。海上では激しい銃撃戦とボートチェイスが展開され、互いのボートは衝突して岸へ乗り上げる。最後は浜辺で一対一の死闘となり、キャスターはショーンを挑発しながら襲いかかるが、ショーンは銛銃でキャスターの脚を撃ち抜き、最後は胸へ銛を撃ち込んで長年追い続けた宿敵へとどめを刺す。

 事件後、イヴはFBIへ真相を説明し、ショーンは再び顔面移植手術を受けて本来の姿を取り戻す。家族はようやく再会を果たし、ショーンはサーシャとの約束を守るため、身寄りを失ったアダムを自宅へ迎え入れておしまい。


 主人公ショーンと幼い息子がメリーゴーランドで穏やかな時間を過ごしている場面から始まります。しかし、その幸せはキャスター・トロイの狙撃によって一瞬で打ち砕かれ、ショーンは最愛の息子を失ってしまいます。この悲劇が主人公の原動力となり、6年後には宿敵を追い続ける執念深いFBI捜査官として登場します。冒頭から主人公の動機を明確に示しているため、物語へ自然と引き込まれました。

 飛行場で繰り広げられる最初の銃撃戦は、ジョン・ウー監督らしい派手な演出が惜しみなく詰め込まれていて非常に見応えがありました。セスナ機へ飛び移っての格闘や爆発、スローモーションを多用したガンアクションなど、序盤から一気にテンションを引き上げてくれます。その後、主人公が犯人の顔へ整形し、刑務所へ潜入するという大胆な展開へ進むため、アクション映画でありながらサスペンスとしても楽しめる構成になっていました。

 主人公が脱獄したあと、自分の顔を奪われたまま誰にも信じてもらえず孤立していく展開も面白かったです。犯罪組織へ潜り込み、敵だったキャスターの息子や愛人と心を通わせていく流れには、人間ドラマとしての魅力も感じられました。一方で、ショーンになりすましたキャスターがFBI捜査官として振る舞う姿も印象的で、ニコラス・ケイジとジョン・トラボルタが互いの役柄を演じ分ける芝居の巧さには感心させられます。顔だけではなく、しぐさや話し方まで相手を表現しているため、本当に人格が入れ替わったような説得力がありました。

 顔を交換するという設定は現実的ではありませんが、その荒唐無稽さを勢いと演技力で納得させてしまう作品でもあります。科学的な理屈を細かく説明するのではなく、「もし敵と自分が入れ替わったらどうなるのか」というアイデアを徹底的にエンターテインメントへ昇華している点が、本作ならではの魅力でした。

 終盤は教会での銃撃戦からボートチェイス、そして浜辺での一騎打ちまで息つく暇もない展開が続きます。教会に白いハトが舞う演出や、二丁拳銃による撃ち合いなど、ジョン・ウー監督らしい映像美も存分に味わえました。ボートチェイスは冒頭の飛行場ほどのインパクトは感じませんでしたが、最後までアクション映画としての熱量は衰えません。

 家族愛、復讐、サスペンス、ガンアクションを高いレベルで融合させた娯楽大作であり、90年代ハリウッドアクションを代表する一本として今見ても十分楽しめる作品でした。ニコラス・ケイジとジョン・トラボルタという二人の名優だからこそ成立した設定であり、ジョン・ウー監督の代表作として長く語り継がれる理由がよく分かる映画でした。

☆☆☆☆

鑑賞日: 2015/01/20 Blu-ray 2023/11/23 Hulu 2026/06/27 Amazonプライム・ビデオ

監督ジョン・ウー 
脚本マイク・ワーブ 
マイケル・コラーリー
出演ジョン・トラヴォルタ 
ニコラス・ケイジ 
ジョアン・アレン 
アレッサンドロ・ニヴォラ 
ジーナ・ガーション 
ドミニク・スウェイン 
ニック・カサヴェテス 
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