映画【リアル 完全なる首長竜の日】感想

SF

●こんなお話

 異世界に迷い込んでしまう主人公たちの話。

 詳しいあらすじ解説はMIHOシネマさんの映画ブログにて

●感想

 自殺未遂して意識がない恋人の意識にセンシングという技術で、潜入して恋人を救うというラブストーリーを根幹に、ホラーテイストを交えつつ最後はモンスターパニックものみたいになるという凄い映画でした。しかも下手したら安っぽくなりそうですが、全然安っぽくなくてむしろ凄い映像になってました。首長竜の迫力なんてすさまじかったです。

 恋人の意識下に入った主人公の青年が、「何故自殺未遂したのか?」「恋人が意識下で言う昔書いた首長竜の絵を探してきて」というのを行動の動機として進みます。意識下に入り、恋人が描く漫画のゾンビとかグーっと起き上がったり、変な態勢の死体がふっと画面に映ったりして、怖いし。
 そしてまた現実に戻り意識下のヒントを元に探し回る。そして現実でもセンシングの副作用からか、いきなりエレベーターに水浸しの少年が立っていて、目元にアップぐーん!。ほんとね、水浸しの少年がエレベーターに立ってる恐怖。しかも目のアップ。
 更に意識下ではフィロソフィカル・ゾンビという記号のような表面だけの存在が出てきますが。これも黒沢映画の幽霊らしく、ふわふわ動いて目玉が固定でつるつるしててめちゃ怖いという。しかも普通に出てくるところが更に怖い。

 物語は75分あたりでどんでん返しが起こり、ここから恋人の救出という動きがまた別の方向へ行くのも意外性はあまりないですが、視点が変わるのは面白く見ることができました。佐藤健クンが、拳銃を撃ったりするカットや故郷の島で警察で尋ねるカットの違和感が判明するという。
 そして視点は変われど、恋人の救出は変わらず。そして首長竜の絵の意味が判明していく。
 ここら辺は伏線も特になくていきなり「首長竜に見えるね」とタツノオトシゴみたいなのをかざされても困ってしまいます。それにどうして子ども時代のある悲劇を「首長竜のせいだ」とかってなるのも急すぎる気がしました。
 そもそも度胸試しである赤い旗、近くない? とか思ってしまわなくもないですが。そんなのはどうでもいい疑問でした。

 けれど、最後まで見ると、中谷美紀さん演じる女医は何で無機質なお芝居だったのか? 序盤の綾瀬はるかさんの部屋が何故水びたしだったのか? 主人公が酔っぱらって海に落ちたのは本当に酔っぱらってなのか? 何故、首長竜は健クンの足を引っ張るんだろうか? とかの理由を考えると面白いです。
 人間世界と霊界を結ぶという映画で、まさにJホラー映画でありよくできたラブストーリーであって面白かったです。

☆☆☆☆

鑑賞日: 2013/06/20 TOHOシネマズ南大沢

監督黒沢清 
脚本黒沢清 
田中幸子 
原作乾緑郎
出演佐藤健 
綾瀬はるか 
オダギリジョー 
染谷将太 
堀部圭亮 
松重豊 
小泉今日子 
中谷美紀 
浜野謙太 
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