映画【乱】感想(ネタバレ)

Ran
スポンサーリンク

●こんなお話

 戦国時代の架空の大名が隠居によって起こる肉親による骨肉の争いの話。

●感想

 合戦シーンでそれぞれの軍隊のカラーである青と赤の軍勢が画面に動き回る派手さが凄かったです。手前に人物がいて、奥の山の上にわらわらと動いていたりと本物の迫力が伝わってくる映像美でした。

 ただお話の方は過去の黒澤作品にあった徹底的な人物描写の掘り下げとかがなくなってしまっているのが悲しかったです。序盤で刃向う三男を追放して、長男に跡目を継がせるけど、その長男からさっそくひどい扱いをうけて次男のところに向かうけど、そこでもまた厄介者として扱われる。そして一族郎党皆殺しにされて、そこで次男が長男をどさくさまぎれに殺害して、自分が跡目を継ぐ。お父さんは発狂して彷徨うことになる。

 この主人公のお父さんが序盤で三男を追放してしまうことからよくわからなくて、映画が始まる前までよくこの家族でやってこれたなと思える人物だし、1番重要なのは次男の行動の動機がゆるゆるでした。長男を殺害して、長男のお嫁さんにやりくるめられて一族が滅びる方向に舵をきってしまう。なぜ簡単にそういう行動をとることになるのかとか一切描かれないのが残念でした。

 主人公と家来が彷徨うシークエンスも話が動かないので結構退屈でした。そして1番感動的な見せ場であろう三男との和解が描かれてもどこか冷めた視線で見てしまう映画でした。ちょっと長く感じてしまう2時間40分でした。

☆☆

鑑賞日: 2016/11/09 NETFLIX

監督黒澤明 
脚本黒澤明 
小国英雄 
井手雅人 
出演仲代達矢 
寺尾聰 
根津甚八 
隆大介 
油井昌由樹 
加藤和夫 
ピーター 
植木等 
田崎潤 
原田美枝子 
宮崎美子 
井川比佐志 
児玉謙次 
伊藤敏八 
加藤武 

コメント

タイトルとURLをコピーしました