●こんなお話
ヴァンパイアと戦うプリーストの話。
●感想
超人的な能力を持つ「プリースト」と呼ばれる一団が結成され、ヴァンパイアの隔離に成功しますが、その後、教会によってプリーストは解散を命じられます。
物語は、ある一家がヴァンパイアに襲撃されたことから始まり。保安官が主人公であるプリーストの元を訪れ、主人公の兄の一家もヴァンパイアに襲われ、特に姪っ子がさらわれたため、救出の協力を依頼。
主人公たちはヴァンパイア隔離施設へと向かいますが、そこでは看守たちが無惨に殺されており、日が暮れるとヴァンパイアが襲いかかってきます。主人公は見事に襲撃を退けるものの、ヴァンパイアの手先となった人間たちとも激しい戦いを繰り広げます。
さらにヴァンパイアの巣窟に足を踏み入れた際には、プリーストの同僚も合流し、共に巨大なヴァンパイアと壮絶な戦闘を展開。物語のカタキ役は、列車で人間の街へ移動しており、その移動自体が主人公たちをおびき出す罠であったことが判明します。
このカタキ役はかつての主人公の同僚で、ヴァンパイアの親玉に助けられ、「ヒューマンヴァンパイア」として復活していました。主人公はその勧誘を断固として拒否し、彼と対決。同僚はダイナマイトを使って列車を爆破し、カタキ役を倒します。
最後は、姪っ子だと思っていた少女が実は主人公の実の娘であったことが明かされ、無事に救出しておしまい。
本作のアクションシーンは非常にスタイリッシュで、プリーストたちが使う多彩な武器の数々は見ていてとても興味深く、楽しめました。特にヴァンパイアの巣での仲間たちとの協力戦は迫力満点で印象的です。
ただし、本作のヴァンパイアは知性のないモンスターとして描かれており、それを操る「ヒューマンヴァンパイア」と呼ばれる感染者が存在する設定が少しわかりにくいと感じました。女王と呼ばれる存在も物語には登場するようですが、結局最後まで姿を現さず、物語に深みを加えるには至っていないと思います。
また、カタキ役と主人公の因縁も唐突に感じられ、彼の語る過去話もあまり説得力がないため、物語全体の深みにはやや欠ける印象を受けました。
作品時間は90分に満たない短さながら、冒頭に過剰なナレーションで世界観や人間関係の説明が詰め込まれており、急に親子関係の話が出てくるため、物語に入り込む前に流れてしまう感覚もありました。
とはいえ、砂漠をバイクで疾走するシーンなどのアクションは非常に格好良く、こうしたアクションシーンにもっと重点を置いて魅せてくれたほうが、本作の良さをより楽しめたのではないかと思います。
☆☆☆
鑑賞日:2012/02/15 Blu-ray 2024/07/25 NETFLIX
監督 | スコット・スチュワート |
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脚本 | コリー・グッドマン |
原作 | ミンウー・ヒョン |
出演 | ポール・ベタニー |
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カール・アーバン | |
カム・ジガンデイ | |
マギー・Q | |
リリー・コリンズ | |
スティーヴン・モイヤー | |
クリストファー・プラマー |