映画【プンサンケ】感想(ネタバレ)

Poongsan (2011)
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●こんなお話

 南北朝鮮の境界線を行ったり来たりする男の話。

●感想

 南北38度線の厳重な警備を泥にまみれ柵を飛び越え、メッセージだったりを離散家族とかに届ける男。韓国人なのか北朝鮮人なのかは謎の男で120分の映画で台詞がないです。

 脱北した高官の愛人を北朝鮮から韓国へと運ぶ仕事を請け負った主人公は、その愛人を運ぶシークエンス。主人公は喋らないものだから、このヒロインがやたらとうるさくて苦手でした。1人で心情やら状況を説明して騒ぐキャラクターなので見ててイライラするだけなので、中盤から大事なキャラクターなのにもったいない紹介シーンでした。

 そして高官のもとへ届けるとこの高官。トンデモないストーカー男みたいなやつで嫉妬の塊で、ヒロインの行動にやたらと気持ち悪いことを言ったりやったりします。結構、これに時間がさけられていてこれも後々問題だと思いました。

 脱北した高官の命を狙う北の工作員と韓国の情報院、両方から主人公は狙われ拷問され利用されそうになりますが。両方とも返り討ちにしたりして、一体主人公は何者なのかと思いますが、その背景の説明が一切ないです。そして途中からいきなりヒロインとのラブストーリーに変化します。
 問題なのは仕事人だった主人公が、何故このヒロインに惹かれたのかというのを描かないといけないのに。そこまで描いていたのは高官の異常っぷりや工作員たちのドタバタ。コリアンコメディが挿入されて笑っていいものなのかも微妙な空気に包まれます。

 主人公がなぜ慟哭するのか? 全く分からないため、クライマックスの行動もわからない。というか、ラスト20分は今までの展開とは全く違うことになるのである意味トンデモ展開になります。ただでさえ時代設定なんかもわからずリアリティがないのにファンタジーになってしまい無表情で見つめる。北と南の喧嘩。
 主人公、どうやって全員を集めたのか? 何でこういう状況になったのかを考えず喧嘩ばかりする工作員、情報員たち。今の朝鮮半島の象徴としてのシーンだとは思いますが。いかんせん、今までの流れとはまるで違うものになっているので。だったら、何で南北ラインを行ったり来たりする設定の意味は何だったのか? 別に序盤で長々と描いた脱出シークエンスは必要ないのではないか? 思っちゃいました。

 北朝鮮は38度線をすべての線に映画で描かれてたよう兵士を配置していたのかとか知りたくなりました。だとしたら物凄い人数を配置してるんだなと勉強になりました。

☆☆☆

鑑賞日: 2013/03/27 DVD

監督チョン・ジェホン 
脚本キム・ギドク 
出演ユン・ゲサン 
キム・ギュリ 
キム・ジョンス 
チェ・ムソン 
ユ・ハボク 
キム・ジョンソク 
ペ・ヨングン 
チョ・ジェリョン 
キム・ヨンフン 
オダギリ ジョー 
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