映画【東京2020オリンピックSIDE:A】感想(ネタバレ):パンデミック下で挑む東京オリンピックの記録

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●こんなお話

 東京オリンピック2020のいろんな競技のアスリートとかコーチとかに話を聞いたドキュメンタリー

●感想

 物語は朝日の差し込む公園で遊ぶ子どもたちや、美しい街並みの映像から始まる。しかしその一方で、パンデミック下の混乱した世情が描かれ、競技場の前では反対デモが繰り広げられている中、オリンピックは予定通り開催される。映像は日常と非日常が交錯する瞬間を映し出し、静寂と喧騒が対照的に並ぶ構図が印象的。

 その中で選手たちは東京を目指して準備を進め、各国の事情を抱えながらも競技に臨む。育児とスポーツを両立させるために赤ちゃんを帯同するアメリカのバスケットボール選手や、SNS上で批判されながらも「関係ない」と出場を決意する別のアメリカ代表選手。さらにイランからドイツに亡命し、モンゴル代表として柔道に挑む選手など、背景や葛藤を抱えた多様な人物たちの姿が丁寧に映し出される。

 日本女子バスケットボールチームがあと一勝で勝利を掴む場面では、観客の熱気や選手の集中力が画面から伝わり、思わず手に汗を握る瞬間がありました。また柔道競技では、関係者や選手の表情を捉えたドアップの映像が迫力満点で、競技の緊張感や肉体の躍動がリアルに伝わってくる。しかし公式記録としての整理はあえて抑えられており、競技結果の詳細は観客には一部分かりにくくなっていると思いました。

 それでもドキュメンタリー全体を通して、パンデミックや政治的背景を抱えながらも、競技に全力を注ぐ選手たちの姿は強く印象に残りました。スポーツの持つ力や人々を結びつける力が、画面を通じて観る者にも確かに伝わる作品です。

☆☆☆

鑑賞日:2022/12/26 Amazonプライム・ビデオ

総監督河瀬直美 
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