●こんなお話
FBIの心理分析官たちが訓練って言われて孤島に集められたら、本当に殺人事件が起こって疑心暗鬼になる話。
●感想
冒頭では、他人の行動や表情から性格や心理を読み取る分析官たちが紹介され、「この先、彼らのスキルがどう物語に生きてくるのか」と期待が高まる入りでした。そして舞台は孤島での訓練へと移り、最初の殺人事件が発生。そこまでの展開はスピード感もあり、ショッキングな要素もきちんと盛り込まれていて、1幕目としてはかなり惹きつけられました。
けれど、そこからが失速で。心理分析官としての特徴や能力が活かされる場面はほとんどなくなり、ひたすら銃を突きつけあい「お前が犯人だ」と疑いあうだけの展開が続きます。心理戦や緊迫感があるかと思いきや、疑いの連鎖が単調で深みに欠け、「心理分析官らしさが見えない」のが残念でした。
次々とメンバーが殺されていく展開は、殺し方そのものにはちょっとした工夫や意外性もあって、そこだけ見れば面白い部分もあるのですが、肝心のキャラクターたちに個性があまりなく、「誰が犯人か?」という推理を楽しむよりも、「誰が今やられたんだっけ?」と混乱してしまうほどキャラの印象が薄かったです。
結局、犯人の動機も納得感が薄く、トリックも雑で説得力に欠けます。B級サスペンスの開き直りとして楽しむしかないような出来で、最初に感じた期待がどんどん削られていくような体験でした。惜しい設定と素材を持ちながら、それを活かしきれなかったのがもったいない映画でした。
☆☆
鑑賞日: 2015/02/20 DVD
リンク
監督 | レニー・ハーリン |
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脚本 | ウェイン・クラマー |
ケヴィン・ブロドビン |
出演 | LL・クール・J |
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ジョニー・リー・ミラー | |
キャスリン・モリス | |
ヴァル・キルマー | |
クリスチャン・スレーター |