映画【ミミック】感想(ネタバレ):地下で進化した怪物が都市を襲うミミックの恐怖

mimic
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●こんなお話

 遺伝子操作によって生まれたクリーチャーと地下鉄で戦う話。

●感想

 ニューヨーク市の貧困地区で、ストリックラー病と呼ばれる原因不明の疫病が流行し、子どもたちが次々と命を落とす事態が発生する。
 調査の結果、この病気はゴキブリが媒介していることが判明し、都市全体が恐怖と混乱に包まれる。

 CDCの副所長ピーター・マンは、昆虫学者スーザン・タイラー博士を招聘し、ゴキブリを根絶するための生物兵器とも言える計画を進める。
 スーザンは遺伝子操作によって「ユダ種」と名付けられた新種の昆虫を開発し、ゴキブリの体内に寄生して死に至らしめるよう設計する。
 このユダ種はカマキリとシロアリの特性を併せ持ち、短命で数か月以内に死滅するはずの存在だった。

 計画は成功し、ゴキブリは激減し、ストリックラー病も収束する。スーザンとピーターは街を救った英雄として称えられ、ニューヨークは平穏を取り戻したかに見える。

 それから三年後、雨の降る夜に古い教会の屋上から牧師が転落死する事件が発生する。彼は落下する直前、人間のような姿をした何かに追われていたことが示唆され、唯一の目撃者である少年チューイ。

 CDCは教会を調査し、地下に広がるトンネルや空洞を発見する。ピーター、助手のジョシュ、そしてスーザンが調査に加わり、そこに異常な生態系が築かれていることに気付き始める。

 同じ頃、スーザンは近所の子どもから受け取った奇妙な昆虫の標本を調べ、それがユダ種と同じ遺伝子を持っていることを突き止める。本来なら絶滅しているはずのユダ種が生き残り、しかも進化しているという事実に、彼女は自らの過ちを悟る。

 調査が進むにつれ、地下鉄や下水道で人間のような姿をした巨大な昆虫が確認される。
 それらはユダ種の進化形で、人間の外見や動作をまねることで獲物を油断させ、近づいた瞬間に捕食する能力を持っていた。

 ピーターたちは何度も襲撃を受けながら、チューイと彼の祖父マンニーを連れて地下からの脱出を図るが、やがて巨大な巣に迷い込む。スーザンもユダ種に拉致されて地下へ。
 そして天井から無数の卵嚢がぶら下がり、進化したユダ種が繁殖を続けていた。

 警官も負傷して囮となって命を落とす。ピーターはガス管を利用して巣を爆破しようとするが、その過程でマンニーはチューイを守って命を落とし、ピーター自身も炎と水に巻き込まれる。
 スーザンとチューイは地上へと脱出し、ピーターも重傷を負いながら生還することで、地下の巨大な巣は崩壊し、都市への脅威はひとまず抑え込んでおしまい。


 流行病を止めるために生み出された遺伝子操作昆虫が、やがて人間を狩る怪物へと進化していくという設定は、とても皮肉で魅力的だと感じました。
 大都会ニューヨークの地下に擬態した怪物が潜んでいるというアイデアも印象的で、人間の姿をまねて近づいてくる描写には独特の不気味さがありました。

 特に、時間を尋ねる声につられて振り向いた相手が実は昆虫だったという場面は、この作品の象徴のようで、静かな恐怖がよく伝わってきます。
 擬態という要素が、単なるモンスターではなく知性を感じさせる存在として機能していた点は評価できるところだと思います。

 一方で、物語の多くが地下鉄や暗いトンネルで進むため、映像がかなり暗く、何が起きているのか分かりづらい場面が多かったのは惜しいところでした。
 クリーチャーの姿を想像させる演出としては効果的ですが、もう少し視覚的に見せてほしいと感じる瞬間もありました。

 物語の前半は、地下に何かがいるらしいという不穏な雰囲気を積み重ねていく展開で、その静けさはホラーとしてよくできていると思います。
 ただし本格的にモンスターとの対決が始まるまでに少し時間がかかり、テンポの面ではやや間延びしている印象も受けました。

 後半は王道のモンスターパニック映画の流れになりますが、魅力的な脇役たちがあっさり退場してしまうのは少し残念でした。
 偶然が重なる展開も多く、ご都合主義に見えてしまう部分があるのも正直なところです。

 それでも、デル・トロ監督らしい湿っぽい質感の映像と、気持ち悪さを前面に押し出したクリーチャーデザインは強く印象に残りました。独特の空気感を味わうホラーとしては興味深い一本だと思います。

☆☆☆

鑑賞日: 2013/04/13 Hulu 2026/01/15 U-NEXT

監督ギレルモ・デル・トロ 
脚本マシュー・ロビンス 
ギレルモ・デル・トロ 
原作ドナルド・エー・ウォルハイム 
出演ミラ・ソルヴィーノ 
ジェレミー・ノーザム 
アレクサンダー・グッドウィン 
ジャンカルロ・ジャンニーニ 
チャールズ・ダットン 
ジョシュ・ブローリン 
アリックス・コロムゼイ 
F・マーリー・エイブラハム 
ノーマン・リーダス 
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