●こんなお話
【市民ケーン】の脚本を書いている途中と直前を交互に描く話。
●感想
「市民ケーン」の脚本家がどうやって「市民ケーン」を書きあげたのか? という映画ファンとしてそれだけで面白いですが、そこに1930年代のハリウッド界の内幕ものとしても楽しい映画でした。
主人公が足を骨折してアルコール依存症でヨレヨレの状態で牧場のような場所に運ばれてくるところから始まり、彼が若いオーソン・ウェルズから脚本を急かされて口述筆記で書いていくのと脚本のモデルとなった新聞王とその愛人との交流の回想が交互に描かれていきます。メジャースタジオで映画を作るということと州知事選なんかも挟まり、主人公の周りは共和党候補を応援して対立候補が「社会主義者や共産主義」とレッテルを貼って、フェイクニュースを作ったり対立候補のネガティブキャンペーンをしたり。
現代的な問題が当時とあまり変わらないということやこの映画を見て「市民ケーン」と呼応してシンクロする構成が楽しめました。
ただMGM創立者や新聞王とその愛人、主人公の弟の映画監督など実在の人物たちをある程度知らないと終始ポカンとしたまま始まって終わっていく作品であると思いました。なかなかの間口が狭いピンポイントな題材ではありました。
タバコとお酒を楽しむおじさんたちが良いのはもちろん、女優さんたちも魅力的なのもよかったです。
☆☆☆
鑑賞日:2020/12/08 NETFLIX
| 監督 | デヴィッド・フィンチャー |
|---|---|
| 脚本 | ジャック・フィンチャー |
| 出演 | ゲイリー・オールドマン |
|---|---|
| アマンダ・セイフライド | |
| チャールズ・ダンス | |
| リリー・コリンズ | |
| アーリス・ハワード | |
| トム・ペルフリー | |
| サム・トラウトン | |
| フェルディナンド・キングズリー | |
| タペンス・ミドルトン | |
| トム・バーク |


