映画【メジャーリーグ3】感想(ネタバレ):マイナーリーグ舞台の人間ドラマと成長物語を描いたスポーツ映画

Major League Back to the Minors imdb
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●こんなお話

 マイナーリーグの選手たちが頑張ってメジャーリーグのチームと戦う話。

●感想

 落ち目のピッチャーだった主人公が、マイナーリーグのマネージャー就任を打診され、快諾して新しいチームに加わるところから物語は始まる。合流したチームには、旧知のベテラン外野手や、仲が悪い双子の選手、かつてバレリーナだった選手、そしてスローボールしか投げられないピッチャー、さらにはイップスを患い投げられなくなった捕手と、個性豊かなメンバーが揃っていた。

 主人公はそんな選手たちに一人ひとりアドバイスを送り、少しずつ彼らのプレーや心に変化をもたらしていく。友人のペドロやタカタナカも加わり、チーム全体が強く結束していく様子は非常に見応えがある。やがてメジャーリーグのチームと親善試合を行う機会を得るが、惜しくも停電のために試合は途中で終了となってしまう。

 期待の若手選手がメジャーに引き抜かれるが、主人公は「まだ早い」とマイナーでの経験を積むことを勧める。これに対して若手は反発するものの、メジャーでの苦戦を経て再びチームに戻ってくる展開は、リアルな成長ドラマとして非常に胸に響いた。再び練習に励み、メジャーのチームと真剣勝負を挑み、最後には見事な勝利を収めるという流れは、応援したくなるものでありました。

 舞台がマイナーリーグという点が過去のシリーズとは一線を画しており、豪華な演出や華やかさに頼らず、寂しげな球場の風景やのんびりとした野球シーンを丁寧に描くことで、独自の味わいを作り出しているのが魅力。特に、期待の若手選手が当初はホームランを狙いがちだったが、最終的には犠牲バントを自ら志願し、監督から「ホームランを打て」と励まされる逆転の展開は、スポーツドラマとしての楽しさを深めているものでした。

 しかしながら、主人公やチームメンバーそれぞれの背景をもう少し深く掘り下げてほしかったと感じる部分もありました。バレリーナ出身の選手や双子の選手たちなど、個性的なキャラクターが多いにもかかわらず、物語の主軸となるのは限られた数人に留まっていたため、もう一歩踏み込んだ描写があればより感情移入しやすくなったのではないかと思います。

 また、チームが強くなる過程もややあっさりしており、気づけば力をつけているという印象が強かったため、盛り上がりに欠ける印象を受けました。全体としては丁寧に描かれた作品ではあるものの、もう少し起伏のある展開やキャラクター同士のドラマが欲しかったところ。

☆☆☆

鑑賞日:2022/09/25 U-NEXT

監督ジョン・ワレン 
脚本ジョン・ワレン 
出演スコット・バクラ 
コービン・バーンセン 
デニス・ヘイスバート 
石橋貴明 
エリック・ブラスコッター 
ウオルト・ゴギンス 
スティーヴ・イェーガー 
ジャンセン・ダジェット 
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