映画【子連れ狼 冥府魔道】感想(ネタバレ):燃えながら語る刺客!異色の展開と剣戟が光る、拝一刀の斬りまくり時代劇

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●こんなお話

 密書を奪う仕事を任せられた拝一刀とかの話。

●感想

 物語は、拝一刀が5人の刺客に狙われるところから始まる。それぞれの刺客が順番に一刀へ挑み、その実力を測ろうとする。戦い方も見せ方も個性的で、どこか漫画的で面白いです。しかも、ただやられて終わりではなく、死の間際に「なぜ主人公に暗殺を依頼するのか」を語っていく形式がユニーク。中には斬られたまま焚き火に倒れ込み、燃えながら「命が尽きるまでまだあります、それまで事情を…」と語り出す刺客も。燃えながら話すという衝撃のシチュエーションに、インパクトが強すぎて内容が全く頭に入ってこなかったです。だがそれでも画面の力が圧倒的で、観る者を引き込まれます。

 話の根幹には、黒田藩の狂った藩主の問題がある。正室との間に息子がいるにもかかわらず、「側室の娘のほうが可愛いから」という理由だけで、その娘を跡継ぎにしようとする暴走ぶり。さらに幕府にそれが知られれば藩がお取り潰しになるのは確実。そこで、「娘が跡取りになる」というお墨付きを出した高僧からその証文を奪ってくれという無理な依頼が拝一刀に舞い込む。

 序盤30分は、主人公の実力を測るために次々と侍たちが襲ってくる。ここも見応えのある剣戟が続き、アクションとして充実していました。そして、大滝秀治さん演じるお坊さんの暗殺パートに移る。登場する大滝さんは何やら難解なセリフを延々と語りかけてくるが、何度聞いても意味がよくわからないです。だがその言葉を聞くと、なぜか主人公の体が動かなくなり、斬ることができずに逃げ出す。「なぜ斬れないんだ?」とこちらも混乱する展開。

 そこから急に話は変わり、大五郎の単独行動パートに突入。女スリとの出会いが描かれる。女スリの身代わりになって役人に捕まる大五郎。「スリの女はどこにいる?」と詰問されても黙秘を貫き、最後には棒で叩かれるという拷問に。限界に達した女スリが名乗り出ると、大五郎が「ちがう、ちが〜う」と言い放ちますが、その言い方が妙にツボで最高でした。このエピソードを観ていると、今どんな映画を観ていたのか一瞬忘れそうになりつつ。なのになぜか、大五郎は解放され、なぜか祝福されてしまうという

 物語は再び本筋に戻り、お坊さんの証文を奪う流れへ。そしてついにライバルの柳生烈堂が登場し、壮絶な血戦が始まる。クライマックスでは、藩主の前での対面があり、恒例の「斬りすてい!」が炸裂。そこから怒涛の斬り合いが展開され、胴体輪切りといったスプラッター描写もありの大迫力。最後は、「冥府魔道に行くぞ、大五郎」と言って、なんと5歳の子どもの首をはねるという衝撃のラスト。 

 全体を振り返ると、侍との連戦、大五郎と女スリ、お坊さんとの奇妙な対峙、そして藩の内情と依頼をめぐる暗殺劇。依頼があって、それを一刀が斬りまくるというシンプルな構造ですが、それぞれのエピソードがバラバラに見えて少し散漫な印象も受けました。それでもやはり、若山富三郎の殺陣の迫力は圧巻で、スピードと鋭さが抜群。かっこよさが当たり前になっていますが、やはり観るたびに惚れ惚れする完成度。内容にブレはあっても、確かな魅力が詰まった1本でした。

☆☆☆

鑑賞日:2009/03/22 DVD 2013/01/30 DVD 2017/05/15 DVD 

監督三隅研次 
脚本小池一雄 
中村努 
原作小池一雄 
小島剛夕 
出演若山富三郎 
富川晶宏 
安田道代 
佐藤友美 
潮健児 
山内明 
大滝秀治 
須賀不二男 
田中浩 
藤山浩二 
加藤嘉 
岡田英次 
戸浦六宏 
志賀勝 
石山律 
天津敏 
山城新伍 
守田学哉 
石橋蓮司 
大木実 

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