映画【クロユリ団地】感想

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●こんなお話

 あっちゃんが団地に引っ越してきて、隣から異音が聞こえてきて……。という話

詳しいあらすじ解説はMIHOシネマさんの映画ブログにて

●感想

 中田監督らしい音の不気味さで見ている間、特に序盤の違和感が素晴らしいです。引っ越してきて近所を歩くというシーンだけで、隣でおばあちゃんが歩いていてカゴをひくキュルキュルという音だけがせりあがってきたり。一体この世界は何なんだろうという不気味さ。
 後は最初から最後まで出ずっぱりの前田敦子さんが素晴らしく、さまざまな表情を見せてくれて素晴らしかったです。それに顔が潰れてしまっているくらいの黒味がすごい沈んだ映像。

 ただ話としては、ホラー映画のパターンというか幽霊側からアクションがないと動きがなくて、この映画も主人公は特に何も動かず。その間は退屈を感じてしまいました。何か幽霊のルーツを辿るだとか事件の真相に迫るとかのアクションを動かさないと映画に動きが感じられないです。
 それにこの映画の主人公のトラウマというのが中盤に判明してしまって、そこから更に主人公は【蘇える金狼】の薬物中毒になった風吹ジュンさんみたいな顔色の悪さになってしまって動かない。主人公に霊が憑りついていると教えてくれる隣人がいるのですが、そこの教え方がめちゃくちゃ怖いっつう。ここは素晴らしい恐怖シーンでよかったです。

 中盤から動かなくなる主人公の代わりに、成宮くん演じる清掃業の青年が解決に動きます。彼が何故、あっちゃんに対してそこまで献身的に動くのかというのが青年のトラウマが描かれますが、これもちょっと中途半端なんじゃないのかなぁと思っちゃいます。それでいてクライマックスで重要なポイントになるのでイマイチ感情移入できなかったです。
 そして何より、来るぞ来るぞという怖さは最高ですが。いざ実体化した幽霊がアタックしてくるところはイマイチに感じてしまうのが残念でした。

 後は物語自体の設定も見終わるとよくわからないところが多くて、よくあっちゃんが団地の入居の審査おりるのかな? とか精神的に不安定な人を親は一人暮らし許可するのだろうか? と思ってしまいました。それか団地に引っ越して隣人の事件のせいでトラウマが発動したのか? だったら団地に1人で引っ越してくるものだろうかというリアリティの問題。
 とはいえ、寂れた団地に高齢化孤独化を包みながら、トラウマに苦しむ女性の映画で冒頭の不安定な映像が主人公の気持ちを表現していて、現代版「耳なし芳一」としてよかったです。

☆☆

鑑賞日:2014/02/28 Blu-ray

監督中田秀夫 
脚本加藤淳也 
三宅隆太 
出演前田敦子 
成宮寛貴 
勝村政信 
西田尚美 
田中奏生 
高橋昌也 
手塚理美 
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